Google Geminiの「Canvas(キャンバス)」機能はコーディング作業やライティング作業をサポートする強力なツールです。プログラマーやライターの方は特に、作業が劇的に効率化されることでしょう。
GeminiのCanvasって何ができるの?
Canvasの使い方・活用方法が知りたい
この記事を読むことで、上記のようなニーズが解決します。
こんにちは、シントビ管理人のなかむーです。
Canvasは、従来のチャット形式とは異なり、専用インターフェースで作業をしながら、AIと対話できる機能です。
今回も文系目線でわかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
- Canvasの機能詳細
- Canvasの使い方・活用方法(画像付き)
- ChatGPTやClaudeの類似機能との違い
今回の内容を参考に、ぜひCanvas機能を使ってみましょう。
Gemini Canvasとは?対話しながらコードや文章を編集する機能

Gemini Canvasを一言でいうと「Geminiと対話しながら、コードや文章を視覚的に編集するための専用スペース」です。ユーザーが用意した、あるいはGeminiに生成させた元のコードや文章を基に、修正指示を出し、その結果を元の内容と並べて(あるいは差分表示で)確認しながら、編集作業を進めることができます。
主にコーダーやプログラマー、ライター向けの機能ですが、Geminiにコードや文章を生成させたい全ての人が活用できます。
単なる編集に留まらず、コードの実行やWebコンテンツのプレビューといった高度な機能も統合されており、より複雑なタスクにも対応可能です。
編集・修正に特化した機能|従来のチャット形式との違い
従来のチャット形式は、一問一答の対話を通じて情報を得たり、ゼロからコンテンツを生成したりするのに適しています。一方、Canvasは既存のコンテンツに対する「編集」「改善」「デバッグ(バグ修正)」といった工程に特化しており、以下のような違いがあります。
- 文脈理解の向上
Canvasはプロジェクト全体の文脈をより深く理解します。ユーザーはテキストやコードの特定箇所をハイライトして具体的な指示を出せるため、Geminiはより的確な提案を行うことができます。 - 多様なコンテンツの生成
文章からクイズを生成したり、音声読み上げをしたり、ウェブページを作成したりできます。 - 直接編集とインタラクティブ性
提案された内容をそのまま受け入れるだけでなく、Canvas内で直接テキストやコードを編集できます。これにより、Geminiの提案をベースに、さらに細かな調整を加えることが容易になります。
GeminiのCanvas機能を利用可能な環境
GeminiのCanvas機能は、2025年6月時点で以下の環境で利用可能です。
- Webブラウザ
- Android アプリ
- iOSアプリ
GeminiのCanvas機能が役立つ主な場面
Canvasは、以下のような場面で特にその力を発揮します。
- 文章の推敲・校正
誤字脱字チェック、表現の改善、構成の見直しなど。 - コードのデバッグ・レビュー・リファクタリング:
バグ修正、効率化、可読性向上、ドキュメント生成など。 - 長文コンテンツの部分修正
レポート、記事、仕様書などの特定箇所の修正・加筆。 - アイデアの具体化と比較検討
複数の表現案やコードスニペットの比較。 - 翻訳文のブラッシュアップ
機械翻訳結果の精度向上。 - 簡単なWebページの作成・プレビュー
HTML/Reactコードの動作確認。 - プログラミングコードの実行・テスト
簡単なスクリプトの動作確認やデバッグ。
具体的な使い方を理解すれば、他のさまざまな場面での活用アイディアも出てくるでしょう。

Gemini Canvasの基本的な使い方

コード編集・文章編集に共通するCanvasの「基本的な使い方」を解説します。
Gemini Canvasの基本画面
Canvas画面を用いて解説します。以下の画像は文章編集のCanvas画面です。

Canvas画面は、主に以下の要素で構成されています。(デザインは変更される可能性があります)
- 編集エリア(メインペイン):
画面領域の6割を占める、テキストやコードが表示され、直接編集が可能な中心的な領域です。 - 指示入力エリア(チャットエリア):
画面左側のGeminiへの指示を入力する場所です。 - ツールバー/メニュー(メインペイン上部):
変更箇所の表示、バージョン変更、コピー、プレビュー、共有などのボタンが配置されています。 - ショートカットメニュー:
文章生成の際に、画面右下に表示されるメニューです。文字数調整や文体などの変更を指示できるショートカットが用意されています。
Gemini Canvasのツールバー解説
具体的な使い方解説に入る前にコード編集・文章編集の両方に共通する、ツールバーの解説をします。ツールバーはメインペイン画面の上部に表示される、以下の画像の箇所のことです。

画像の左、雲のようなアイコンから説明します。3点リーダー(縦3つの点)はモード別のメニューのため飛ばします。
- 変更の保存:
変更の保存状況を示します。 - 前のバージョン:
一つ前のバージョンを表示します。 - 次のバージョン:
一つ次のバージョンを表示します。 - 共有する:
コンテンツを共有します。モードによって、共有できる箇所が異なります。 - 作成(文章編集のみ):
文章を元にコンテンツを生成。詳細は後述。

Gemini Canvasの使い方|コード編集

Canvasでのコード編集をする際には、チャット入力欄にある「Canvas」をオンにする必要があります。

もしCanvasをオンにし忘れた場合には、オンにして「Canvasで開いて」といえば大丈夫です。
Gemini Canvasでのコード編集方法
上記のプロンプトの結果、以下のようなテトリスのコードが生成されました。

変更を加えたい場合には、カーソルを合わせて直接、編集可能です。
ドラッグをしてコードを選択すると、Geminiに対して指示が出せます。「詳しく教えて」「変更して」のように指示をすれば、解説を得たり、修正させたりできます。

Gemini Canvasでのコードメニューの使い方
Canvasのメニューはコード編集と文章編集で、一部異なります。

「コンソールを表示」ボタンをクリックすると、以下の画面のようにメインペイン下部にコンソール画面が表示されます。こちらでデバックの確認ができます。

「最近の変更を表示」ボタンをクリックすると、以下の画像のように変更箇所がハイライトされ、前と後が確認できます。

「コード」と「プレビュー」はスイッチで切り替えられます。プレビューに切り替えると、以下のように、テトリスのゲーム画面が表示されました。

実際にプレイしてみましたが、いわゆるテトリスそのままで、普通に楽しく遊べました。
実行環境に移す必要がなく、そのまま確認できるのはいいですよね。
共有ボタンはコードの場合とプレビューの場合で、選択できる項目が異なります。
- コードの場合
- Canvasを共有
- 内容をコピー
- プレビューの場合
- 公開リンク
- X
文章編集にはあるショートカットメニューは、コード編集にはありません。

Gemini Canvasの使い方|文章編集

Canvasでの文章編集する際には、チャット入力欄にある「Canvas」をオンにする必要があります。

もしCanvasをオンにし忘れた場合には、オンにして「Canvasで開いて」といえば大丈夫です。
Gemini Canvasでの文章編集方法
上記のプロンプトを実行すると、以下のようにメインペインに文章が表示されました。

変更を加えたい場合には、カーソルを合わせて直接、編集可能です。
ドラッグをして文章を選択すると、Geminiに対して指示ができます。「詳しく教えて」「変更して」のように指示をすれば、解説を得たり、修正させたりできます。

内容について、説明を求めると、以下のように返信がありました。

Gemini Canvasでの文章メニューの使い方
Canvasのメニューはコード編集と文章編集で、一部異なります。
メニューバーを見てみると、文章を「見出し」と「標準テキスト」に切り替えられます。また「B(太字)」、「I(イタリック)」、「リスト」、「番号付きリスト」といった変更も加えられます。

作成ボタン
作成ボタンをクリックすると、以下のようなメニューが表示されます。

例えば「ウェブページ」を選択すると、HTMLのコードが生成され、ウェブページが作成されます。

他にもクイズの「テスト」や「音声概要(読み上げ)」も作成可能です。
共有ボタン
共有ボタンをクリックすると、さまざまな方法で文章を共有できるようになります。

例えば、「Googleドキュメントにエクスポート」をクリックすると、以下のようなドキュメントファイルが生成されます。

メニューバーの使い方は以上です。
特にライターの方にとっては、Googleドキュメントに生成されるのは便利ですね!
【文章編集】Gemini Canvas ショートカットメニューの使い方
画面の右下にあるショートカットメニューをクリックすると3つの項目が表示されます。

- 長さを変更
文章量の「非常に短め」「短め」「長め」「非常に眺め」の4段階に変更できます。 - トーンを変更
文章のトーンを「非常にカジュアル」「カジュアル」「フォーマル」「非常にフォーマル」の4段階に変更できます。 - 編集を提案
複数の編集提案をしてくれます。
「編集を提案」をクリックすると、以下の画像のように、メインペインの右側にいくつかの提案をしてくれます。「適用」をクリックすると、文章に提案が反映されます。

ChatGPTのように読解レベルを変更したり、絵文字を追加したりはできませんね。

GeminiとChatGPTとClaudeのCanvas機能の違い
今回紹介したCanvas機能はChatGPTやClaudeにも存在します。それぞれの違いを簡単に紹介します。
強み、弱みは主観が入っています。
Gemini | ChatGPT | Claude | |
---|---|---|---|
名称 | Canvas | Canvas | Artifact |
編集作業 | コード編集 文章編集 | コード編集 文章編集 | コード編集 文章編集 |
強み | 文書の音声化 Google連携 | 細かい調整がしやすい バグ修正の検知機能 | 出力形式が多様 |
弱み | 細かい調整がしにくい | 特になし | 直接編集できない |
以前は◯◯はコードが強い、◯◯は日本語の文章生成が良いなどがありましたが、現在大差はありません。どの生成AIも非常に優秀です。
ただし、Claudeは直接編集できないのが、非常に残念です。むしろArtifact機能の良さを台無しにしている感すらあります。GeminiはChatGPTほどショートカットメニューが豊富でないため、細かい調整の指示を出さなければなりませんが、さほど苦ではないでしょう。
Canvas機能をメインで使いたい場合には、GeminiかChatGPTがオススメです。
生成AIスキルを高めたい方はスクールもおすすめ!
生成AIを使いこなして、「スキルアップしたい」「転職したい」「副業したい」という方は生成AIのスクール受講がオススメです。
実践的な内容が学べたり、転職支援が受けられたりと、独学で学ぶよりも効率的です。興味がある方は以下の記事を参考にしてください。
Gemini Canvasを活用して生産性を高めよう!
この記事では、GeminiのCanvas機能について、できることや具体的な使い方を画像付きで解説しました。
Canvasは単なるチャットインターフェースを超えて、ライティングやコーディングといった様々な編集・改善作業を、よりインタラクティブに行える強力なツールです。
特にGeminiは文章編集が音声読み上げに対応していたり、Googleドキュメントに出力できる点が他にはない強みでしょう。コード編集では、プレビュー画面をそのままSNSなどに共有できる点が面白いですね。
今回の内容を参考に、ぜひCanvasを使い倒して、生産性を高めましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!