AIブームでますます人気が出ているプログラミング言語「Python」。エンジニアにならなくても、データ分析やプロンプトエンジニアリングなどで活用の機会があります。
Pythonの勉強時間はどのくらい?
学習のロードマップが知りたい
学習のステップを教えて!
この記事を読むことで、上記のような疑問やニーズが解決します。
Pythonを習得するとエンジニアへの就職や転職の道が開けますし、普段の業務の効率化にも応用できます。さらに生成AIを独自にカスタマイズできたりもしますので、勉強する価値は高いでしょう。
こんにちは、シントビ管理人のなかむーです。
私はIT系の営業をしていますが、7年ほど前にPythonを学習した経験があります。ひょんなことからいまの仕事で最近Pythonを使う機会が出てきました。
そんな経験を活かして、今回も文系目線でわかりやすく解説していきます。
この記事では分野別にPythonの勉強時間とロードマップを解説します。今回の内容を参考にPython学習の計画を立ててみてください。
「そもそもPythonについてよく知らない」「できることを詳しく知りたい」という方は以下の記事を参考にしてください。
Pythonを学ぶ前の事前準備
プログラミング学習は闇雲に始めるのではなく、適切な準備を整えることで効率的に進めることができます。特にPythonは活用範囲が広いため、最初の一歩を踏み出す前に、しっかりとした計画を立てることがオススメです。
【超重要!】Pythonを学習する目的を明確にする
まず始めに一番大事なこと、それは学ぶ目的を明確にすることです。有名なガンジーはこう言いました。
Find purpose, the means will follow.
目的を見つけよ。手段は後からついてくる。
Pythonを学ぶこと、それ自体は手段です。あなたがPythonを学習した先に何をしたいのか、どんなことを実現したいのか、一度考えてみてはいかがでしょうか。
- AIエンジニアになって、人類の発展に貢献したい!
- データアナリストに転職して年収を上げたい!
- 今の仕事が嫌だ!エンジニアに転職したい!
- Pythonが扱えるようになって、モテたい!
※Pythonが扱えてもモテるかは知りません
理由は何でも結構です。壮大な目的でなくて構いません。自分がやる気になる目的さえ見つかれば、習得できたも同然です。
偉そうに書きましたが、私は新卒時になんとなく「英語ができた方がいいよね?」とたくさんの時間を割いて英語を勉強しました。しかし結局、英語を話せるには至っていません。
アメリカ人の彼女を作る、外資系企業に転職するというような目的があれば、変わっていたでしょうに…
ただしやったことがないのですから、イメージが付かないこともありますよね。情報収集に何時間もかけてはもったいないので、まずは一歩を踏み出してみるという気軽さも大切です。
まずPythonに触れてみたいという方には学習サイトの活用もオススメです。
分野別Pythonの必要スキル
学習する目的が明確になったら、今度はPythonで人気の活用分野における、必要なスキルなどを見ていきましょう。今回紹介するのは以下3つの分野です。
1. データ分析・AI開発分野
- 必要スキル:統計学の基礎知識、数学(線形代数・確率論)
- 使用するライブラリ:NumPy, Pandas, scikit-learn
- 具体的な業務:顧客データの分析、売上予測、画像認識など
- 習得の難易度:★★★
2. Web開発分野
- 必要スキル:HTML/CSS, データベースの基礎知識
- 使用するフレームワーク:Django, Flask
- 具体的な業務:Webアプリケーション開発、API開発
- 習得の難易度:★★☆
3. 業務自動化分野
- 必要スキル:基本的なPythonの文法知識
- 使用するライブラリ:openpyxl, selenium
- 具体的な業務:Excel処理の自動化、Webスクレイピング
- 習得の難易度:★☆☆
就職・転職市場で需要が高いのは、「データ分析・AI開発分野」「Web開発分野」です。これらの分野は単にPythonを学習するだけでは足りず、関連するさまざまなスキルや知識も習得する必要があります。
効率的な学習のための環境作り
効率的な学習には環境作りが重要です。以下を参考としてみてください。
1. 物理的な学習環境
- PC ※メモリ8GB以上あれば十分
- デュアルディスプレイ ※あると良い
- 集中できる学習スペース
2. 開発環境の準備
- Pythonのインストール
- コードエディタ(VSCodeがおすすめ)
- オンラインエディタ(Google Colaboratoryなど)の準備
3. 学習リソースの準備
- スクールや学習サイトなど
- 参考書の準備(初心者向けの入門書を1冊)
- 技術的な質問ができるコミュニティへの参加
実際の学習を始める前に、これらの準備をしっかりと整えることで、効率的な学習が可能になり、モチベーションも維持しやすくなります。
なおパソコンがないという方にはMacBook Airがおすすめです。(MacBook Proはオーバースペック)MacBook Airをすすめる理由はPythonを利用するための環境構築が簡単だからです。
既にMacをお持ちの方ですぐに環境構築したい方は以下の記事を参考にしてください。
分野別学習ロードマップと所要時間
学習したいPythonの分野に応じて、最適な学習の道筋と必要時間は大きく異なります。ここでは、主要な3つの方向性について、具体的なステップと勉強時間の目安を紹介します。
なお、以下の時間は平日2時間、休日4時間程度の学習ペースを想定しています。(月72時間)
Webアプリ開発者への道(約400時間|約5.5カ月)
※イメージしやすいように学習内容には具体例を含みます。
1. 基礎学習フェーズ(100時間)
- Python基礎文法の習得
- HTML/CSSの基礎
- データベース(SQL)の基本概念
- Gitによるバージョン管理の基礎
2. フレームワーク学習フェーズ(150時間)
- Django/Flaskの基本概念
- MVCアーキテクチャの理解
- テンプレートエンジンの使用方法
- データベース連携の実装
3. 実践フェーズ(150時間)
- ToDoアプリの作成
- ブログシステムの構築
- ユーザー認証の実装
- APIの作成と連携
特に重視するべきポイント
- セキュリティの基礎知識
- レスポンシブデザインの実装
- パフォーマンスチューニング
データサイエンティストへの道(約800時間|約11カ月)
※イメージしやすいように学習内容には具体例を含みます。
1. 基礎学習フェーズ(200時間)
- Python基礎文法の習得
- 統計学の基礎
- 数学(線形代数・確率論)
- データ可視化の基礎
2. ライブラリ学習フェーズ(300時間)
- NumPy/Pandasの使用法
- Matplotlibでのデータ可視化
- Scikit-learnによる機械学習
- Jupyterノートブックの活用
3. 実践フェーズ(300時間)
- データクレンジング
- 探索的データ分析
- 機械学習モデルの構築
- 予測モデルの評価と改善
特に重視するべきポイント
- データの前処理技術
- 特徴量エンジニアリング
- モデル評価指標の理解
AI開発エンジニアへの道(約1,000時間|約14カ月)
※イメージしやすいように学習内容には具体例を含みます。
1. 基礎学習フェーズ(250時間)
- Python基礎文法の習得
- 数学(微分積分・線形代数)
- 統計学と確率論
- 機械学習の基礎概念
2. フレームワーク学習フェーズ(350時間)
- TensorFlowの基礎
- PyTorchの使用法
- ディープラーニングの理論
- GPUを用いた学習環境の構築
3. 実践フェーズ(400時間)
- 画像認識モデルの構築
- 自然言語処理の実装
- モデルのチューニング
- 本番環境での運用方法
特に重視するべきポイント
- アルゴリズムの理解
- モデルの最適化手法
- 計算リソースの効率的な利用
これらの学習時間は「基礎的な実務レベル」までの到達時間です。より高度なスキルを身につけるには、さらなる学習と実践が必要になります。目標とするレベルや立場(フリーランス、企業所属など)によって、必要な学習時間は変わってくることに注意しましょう。
- 記載された時間はあくまで目安であり、個人の理解度や事前知識により変動します
- 実務で使えるレベルになるには、追加の実践プロジェクトが必要です
- 技術の進化が早い分野のため、継続的な学習が必要です
段階別の具体的な学習ステップ
プログラミング学習のステップを段階的に把握して、見通しを立ててみましょう。この章では各レベルで習得すべき内容と、達成までの目安時間を紹介します。
初級レベルまでの学習内容と目安時間(約100時間)
習得目標
- Pythonの基本的な文法を理解し、シンプルなプログラムが書ける
- 基本的なエラーメッセージを理解し、対処できる
- 公式ドキュメントを読んで必要な情報を探せる
具体的な学習内容
- プログラミングの基礎概念(20時間)
- 変数とデータ型
- 条件分岐(if文)
- 繰り返し処理(for, while)
- リストと辞書の基本操作
- 関数とモジュール(30時間)
- 関数の定義と呼び出し
- 引数とスコープ
- 標準ライブラリの使用
- パッケージのインストール方法
- 基本的なファイル操作(20時間)
- テキストファイルの読み書き
- CSVファイルの操作
- 簡単なデータ処理
- 実践演習(30時間)
- 電卓プログラムの作成
- 簡単なゲームの作成
- 基本的なスクレイピング
中級レベルまでの学習内容と目安時間(約300時間)
習得目標
- オブジェクト指向プログラミングを理解し、実装できる
- 複雑な処理を効率的に実装できる
- 外部ライブラリを活用したプログラムが書ける
具体的な学習内容
- オブジェクト指向プログラミング(100時間)
- クラスとインスタンス
- 継承とポリモーフィズム
- カプセル化とアクセス制御
- デコレータの使用
- 応用的なプログラミング技術(100時間)
- 例外処理
- ジェネレータとイテレータ
- 非同期処理(async/await)
- 正規表現
- データベース操作(50時間)
- SQLの基礎
- ORMの使用方法
- データの CRUD 操作
- 実践演習(50時間)
- CLIアプリケーションの開発
- 簡単なWebアプリケーション
- データ分析の基礎的なスクリプト
実務レベルまでの学習内容と目安時間(約500時間)
習得目標
- 実務で必要な開発スキルを身につける
- チーム開発に参加できる
- セキュリティや保守性を考慮したコードが書ける
具体的な学習内容
- 開発プロセスとツール(100時間)
- Gitによるバージョン管理
- テスト駆動開発(TDD)
- CIツールの使用
- コードレビューの方法
- コード品質とパフォーマンス(150時間)
- クリーンコードの原則
- デザインパターン
- パフォーマンスチューニング
- セキュリティ対策
- 専門分野別の技術(150時間)
- Web開発:フレームワーク(Django/Flask)
- データ分析:分析ライブラリ(Pandas/NumPy)
- AI開発:機械学習フレームワーク(TensorFlow/PyTorch)
- 実践プロジェクト(100時間)
- オリジナルプロジェクトの企画と実装
- GitHubでのポートフォリオ作成
- チーム開発への参加
目安にと言いましたが、正直イメージつかないですよね。私も自身が学習した箇所以外はあまりピンときていません。
なので「ふ〜ん、こういうことをやる必要があって、このくらい時間がかかるんだ」くらいに思ってもらえたらと思います。
各レベルで意識すべきポイント
- 初級レベル
- エラーを恐れずに実際にコードを書く
- 基礎をしっかり固める
- 小さな成功体験を積み重ねる
- 中級レベル
- コードの品質を意識し始める
- 他人のコードを読む機会を増やす
- より効率的な実装方法を考える
- 実務レベル
- 保守性・再利用性を重視する
- セキュリティを常に意識する
- チーム開発を意識した実装を心がける
学習時間はあくまで目安であり、個人の理解度や事前知識、学習環境によって大きく変動するでしょう。また、実際の業務では、ここで示した以外のスキル(コミュニケーション能力、ビジネス理解など)も重要になってきます。
未経験の初学者が独学で学習する場合、環境構築、ツールの理解、コードのエラー対処などでつまづきがちです。先に挙げた目安時間の2〜3倍は見積もっておきましょう。人によってはそれ以上が必要になることもあります。
効率的な学習のコツ
プログラミング学習には様々なアプローチがありますが、特に社会人の方が効率的に学ぶためのポイントを紹介します。
学習時間の確保と学習リズムの定着
- 平日の学習は「短時間でも毎日続ける」を意識する
- 朝30分の学習でも、毎日続けることで大きな成果に
- 通勤時間の活用(動画学習、参考書、学習の振り返りなど)
- 隙間時間でのプログラミング問題への挑戦
- 週末は「まとまった時間で実践」に充てる
- 土日で計4〜6時間程度の集中学習
- 実際にコードを書く時間の確保
- エラー解決に十分な時間を確保
つまずきやすいポイントとその対処法
- エラーが解決できない
- エラーメッセージの読み方を学ぶ、ググる
- 公式ドキュメントの活用方法を習得する
- メンターやコミュニティーなどで質問する
- 学習の方向性が不安
- 学習ロードマップの作成
- 目標設定の明確化
- 定期的な振り返りと軌道修正
独学と教育サービスの使い分け
- 独学のメリット
- 費用を抑えられる
- 自分のペースで進められる
- 時間の制約が少ない
- 独学のデメリット
- 方向性を見失いやすい
- 技術的な疑問を解決しにくい
- モチベーション維持が難しい
- 基礎的な部分の抜け漏れが起きやすい
- プログラミングスクールのメリット
- 体系的なカリキュラム
- 経験豊富なメンターのサポート
- 質問できる環境
- 学習仲間との切磋琢磨
- 就職・転職のサポート
- 最新の技術トレンドへの対応
- プログラミングスクールのデメリット
- 費用がかかる
- 時間の制約がある(対面の場合)
効率的な学習にスクール活用がオススメ
社会人の方がPythonを効率的に習得するには、「スクールをベースにしながら、独学を組み合わせる」アプローチがおすすめです。その理由は以下の通りです
- 時間効率の最大化
- 無駄な寄り道を避けられる
- つまずきポイントを素早く解決できる
- 実践的なプロジェクト経験が積める
- 確実な基礎固め
- 体系的な学習で抜け漏れを防ぐ
- 誤った理解を早期に修正できる
- 実務を意識したコーディング習慣が身につく
- モチベーション維持
- 定期的なフィードバックにより成長を実感できる
- 仲間との学び合いによる刺激を得られる
- 明確な目標設定とマイルストーン管理がある
年齢にもよりますが、未経験のエンジニアが転職するのにはハードルがあります。転職を目指す社会人初心者がスクールを選ぶ上で重視したいのは、「転職サポートがあること」です。
私の後輩は調理学校卒の非ITテレアポ営業から、転職サポート付きのプログラミングスクールに通い、未経験からJavaエンジニアとして転職成功!
今ではフリーランスエンジニアになり月収40万円以上になっています。
スクールのなかには経済産業省の「リスキリング補助金」の対象となっており、なんと70%がキャッシュバックされる講座もあります。
オススメはリスキリング補助金の対象で、転職サポートも充実しているテックアカデミーです。
大手スクールのテックアカデミーはPythonコースの無料説明会を行なっています。無理な勧誘はないので、今後のキャリアアップに悩んでいる方は相談してみてはいかがでしょうか。
もちろん「学生の方」や「転職する気はない方」にも、オススメですよ。
Python学習の一歩目を踏み出そう!
この記事ではPython学習に必要な勉強時間の目安とロードマップを紹介しました。
なんとなくでもイメージはついたでしょうか?
冒頭で「目的が大事」と解説しましたが、実際に触れてみることで楽しさややりがいを感じることもあるでしょう。まず始めの一歩を気軽に踏み出してみてはいかがでしょうか。
今回の記事が参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!