AIやデータ分析で注目を集めているプログラミング言語の「Python(パイソン)」。初心者向けと言われることも多いため、学習を検討している方も多いでしょう。
Pythonって何ができるの?
Pythonは自分に合っているのかな?
オススメの学習方法は?
この記事を読むことで、上記のような疑問が解決します。
日経クロステックが2023年9〜10月に実施した調査結果によると、最も使用しているプログラミング言語第一位が「Python」でした。
(引用:日経クロステック)
こんにちは、シントビ管理人のアキラです。
私は6年前にIT初心者として、Pythonを学習しました。その時の経験も踏まえて、文系目線でわかりやすく解説していきます。
今最も勢いがあるといって過言ではないプログラミング言語「Python」は、今後も需要が高まることが予想されます。今からでも学習しておくことで、普段の仕事、転職、副業など様々な場面で役立つことでしょう。
この記事を参考に、Pythonの学習を検討してみてください。
プログラミング言語「Python(パイソン)」とは
まずプログラミング言語「Python(パイソン)」の基本について、おさらいしましょう。すでに知っている方、興味がない方は読み飛ばしていただいて構いません。
Pythonはオランダのプログラマー「グイド・ヴァンロッサム」氏によって、1991年に開発されました。その名前は、彼が大好きだったイギリスのコメディグループ「モンティ・パイソン」に由来しています。
Pythonの特徴は、そのシンプルで読みやすいコードです。多くのプログラミング言語では、コードを書くのに複雑な文法が必要ですが、Pythonは簡潔な文法でコードを書けるため、プログラミング初心者にとっても学びやすい言語となっています。
Pythonは、Web開発、データ分析、人工知能(AI)など、さまざまな分野で利用されています。その際フレームワークやライブラリを使用することで、開発作業を効率化することが可能です。
「フレームワーク」とは、特定の目的や機能に特化したコードのテンプレートやツールの集まりのことです。「ライブラリ」とは、特定の機能やタスクを実行するための再利用可能なコードの集まりのことです。フレームワークは「ソフトウェアの骨組み」、ライブラリは「ツールキット」と考えるとわかりやすいでしょう。
Pythonにはこのフレームワークやライブラリが豊富に用意されており、初心者が学習する上で、大きなメリットになります。
Pythonには開発を効率化する、「フレームワーク」と「ライブラリ」が充実している!
Pythonが得意なこと&苦手なこと
Pythonは多用途なプログラミング言語で、多くの場面で活躍できます。しかしながら、「得意なこと」と「苦手なこと」があります。この章では、Pythonの「得意なこと」と「苦手なこと」について解説します。
Pythonが得意なこと
Pythonは特定の分野で非常に優れた能力を発揮します。
1. データ分析と計算
Pythonはデータの分析や計算がとても得意です。
例えば、企業が顧客の購買データを分析して、売れ筋商品や顧客の行動パターンを特定し、マーケティング戦略を最適化する際に使用されます。また数値計算や統計分析に行ない、グラフを作成して結果を示すことも可能です。
このようにPythonを用いて大量のデータを分析し、そこから有用な知見を引き出す技術は、ビジネスシーンで重宝されています。
データ分析を含むより広い分野の概念として、「データサイエンス」があります。これはデータを使って新しい知見を発見したり、未来を予測したりする学問と技術の領域です。
企業が様々な形で取得したビックデータを分析する「データサイエンティスト」の需要は、今後も増していくでしょう!
2. Webサービスの開発
Pythonは、Webサービスの開発も得意です。Pythonで開発された代表的なWebサービスを紹介します。
- Youtube
- Spotify
- Dropbox
他にも様々なWebサービスがPythonで作られており、今後もWebサービスの開発現場で使われることは間違いありません。
Pythonを習得することで、あなたも世界的なWebサービスを作れるようになるかもしれませんね!
3. 人工知能(AI)と機械学習
PythonはAIや機械学習の分野でも優れた能力を発揮しています。
例えば画像認識の場面で、画像から特定のオブジェクト(対象物)を認識するためのシステムを開発する際、Pythonがよく使われます。またテキスト生成AIの言語処理にもPythonが用いられます。
近年最も注目を集めている生成AIを始め、機械学習や自動運転など様々な分野でPythonや存在感を発揮しています。
消費者でいると気づきづらいですが、ECサイトや動画ストリーミングサービスにおけるレコメンドなどでも使用されています。
4. 自動化
Pythonは業務を自動化するのにも適しています。たとえば、ファイルの整理やWebスクレイピングなど、日常のタスクを自動化することができます。
「Webスクレイピング」とは、インターネット上のウェブサイトからデータを自動的に収集する技術のことです。
普段インターネット上の様々なサイトから情報を収集している場合、その業務をPythonで自動化できます。空いた時間をより生産性の高い業務に当てられるため、売上アップや顧客満足度の向上などに取り組めるでしょう。
定型化された作業は、Pythonで自動化してしまいましょう。
Pythonでできるけど苦手なこと
Pythonは多用途な言語のため、できるけれども得意ではない分野があります。このような分野をメインに開発したい場合には、他のプログラミング言語を勉強することがオススメです。
1. モバイルアプリ開発
Pythonでモバイルアプリを開発することは可能ですが、あまり向いていません。
特にAndroidやiOS向けのネイティブアプリを作成するには他の言語が一般的です。例えば、AndroidではJavaやKotlin、iOSではSwiftが主に使われます。
2. 高パフォーマンスなゲーム開発
Pythonはスクリプト言語であるため、C++やC#などに比べて実行速度が遅いことがあります。
そのため、高度なリアルタイムレンダリングが必要な3Dゲーム開発には不向きです。ただし、2Dゲームや簡単な3Dゲームであれば「Pygame」などのライブラリを使って開発することも可能です。
3. 高負荷の並列処理
Pythonはシングルスレッドでの実行が得意ですが、CPUをフルに活用した並列処理は他の言語より苦手です。例えば、GoやRustなどは並列処理に強みを持っています。
このように、Pythonは多用途に使える一方で、特定の分野では他の言語に比べて劣る部分もあります。
何でもかんでもPythonでやればいいわけではないですね。
Pythonの学習がおすすめな人
Pythonは非常に柔軟で使いやすいプログラミング言語であるため、多くの人にとって学ぶ価値があります。この章では、例として具体的なシーンを提示しつつ、Pythonの学習がおすすめな方を紹介します。
1.データ分析やデータサイエンスに興味がある人
データ分析やデータサイエンスに興味がある人には、Pythonの学習が特におすすめです。
例えば、マーケティング担当者が顧客の購買データを分析してトレンドを把握したり、科学者が実験結果を解析したりする際に、Pythonは強力なツールとなります。
- マーケティングの担当者が顧客の購買履歴を分析して、顧客の興味を予測する
- 科学者が実験データを解析して、新しい発見をする
2.Web開発をしたい人
PythonはWeb開発にも優れており、Webアプリケーションを構築したい人にとっては理想的な言語です。前述の通り、YoutubeやDropboxのような大規模なWebサービスから、小規模なサービスまで、様々なプロジェクトでPythonは活用されています。
- Youtubeのような大規模なWebサービスを開発する
- オンラインストアを立ち上げて商品を販売する
3.自動化に興味がある人
Pythonは、繰り返しの作業を自動化したい人にも適しています。例えば、事務作業を効率化するためにファイル操作を自動化したり、Webスクレイピングでデータを収集したりする際に、Pythonは非常に便利です。
- 定期的に作成する報告書のテンプレートを自動生成する
- Webサイトからデータを収集してデータベースに保存する
4. 初心者でプログラミングを始めたい人
Pythonはシンプルで読みやすい文法を持つため、プログラミング初心者にとっても学びやすい言語です。初めてのプログラミング言語としてPythonを選ぶことで、プログラミングの基本的な概念を学びやすくなります。
- 学生がプログラミングの基本を学ぶためにPythonを始める
- 社会人が新しいスキルとしてプログラミングを習得するためにPythonを学ぶ
エンジニアの求人サイトなどで、「Python」と検索すると、多数の求人がヒットします。未経験可の案件も多数あり、今がチャンスです!
Pythonの学習方法
Pythonを学ぶための方法は多数あります。以下では、代表的な学習方法とそのメリット・デメリットを紹介します。
プログラミングスクール
プログラミングを学習する際に、まず選択肢として上がるのがプログラミングスクールでしょう。スクールでは主に10万円〜30万円程度で学習することが可能です。近年はオンラインでのスクールも増えています。
オンライン学習講座
Udemyなどのオンライン学習講座でも、Pythonを学習することができます。金額は、1つの講座が1〜3万円程度です。網羅的に学習したい場合、複数の講座を受講する必要があります。
書籍
Pythonに関する書籍は、多数出版されています。1冊2,000円〜5,000円程度です。一冊でPythonの全てを学べるわけではなく、複数の書籍を用いて学ぶ必要があります。
YouTube
Youtubeにおいて、Pythonに関する発信をしているユーチューバーの方もします。Youtubeの視聴自体は無料です。(広告を外す場合には、Youtube Premiumに加入する必要があります。)
このように、Pythonの学習方法は多様です。自分に合った方法を選び、効率的に学習を進めることが大切です。
Python学習の注意点と向いている学習方法
Pythonは「初心者向けのプログラミング言語」と言われますが、Pythonを学ぶだけでは、データ分析や機械学習などのエンジニアにはなれません。
以下の知識やスキルも重要です。
- 基本的なITリテラシー
- 環境構築の知見
- SQLなどのプログラミング言語およびデータベースの知識
- HTML/CSSやHTTPなどWebに関する知識
- エラーなどの問題解決スキル
- その他
そのため、全くのIT初心者が独学で学習することはオススメできません。
あなたはどのタイプ?向いている学習方法はこれ
学習方法を検討する場合、主に目的と基本スキルによって変わります。
プログラミングスクールが向いている方
プログラミングスクールで学習することが向いているのは、以下のような方です。
- Pythonのエンジニアに就職や転職したい方
- IT業界未経験でエンジニアになりたい方
- AIや機会学習に取り組みたい方
- データサイエンティストになりたい方
エンジニアになりたい場合、Pythonのプログラムを書くことだけが仕事ではありません。スクールでは体型立てて教えてもらえますので、エンジニアとしての素地が養えるでしょう。中には就職支援までしてくれるスクールもあります。
そのため、本気で仕事にしたい方、特にIT初心者の方にオススメです。
オンライン学習教材が向いている方
オンライン学習教材が向いているのは、以下のような方です。
- 自分のペースで学びたい方
- すでにPythonの基礎を習得しており、特定分野を集中的に学びたい方
- 何かしらのプログラミング言語を習得しており、エンジニアとしての素養がある方
- 自分のペースで学びたい方
オンライン学習教材は自分のペースで学べる点がメリットですが、初学者には難易度が高くなります。
すでに何らかのエンジニアとして実務経験がある方が、新たに学ぶ方法としてオススメです。
書籍が向いている方
書籍での学習が向いている方は、以下のような方です。
- すでにPythonを習得しており、リファレンスとして手元において置きたい方
- 学習を検討している段階で、自分に合っているか確認したい方
- 過去Pythonを習得したことがあり、学び直したい方
書籍は手元に置いておき、すぐに確認できる点が最大の魅力です。しかし、情報が古くなるというデメリットは見逃せません。本気で学びたい方にとっては良い選択肢とは言えないでしょう。
Pythonに興味を持った方の取っ掛かりとしてはオススメです。
Youtubeが向いている方
Youtubeが向いている方は、以下のような方です。
- Pythonがどのようなものか知りたい方
Youtubeは投稿者によって品質が様々ですが、教えるのが本当にうまい方は、Udemyなどのオンライン学習教材販売サイトで販売するはずです。
またYoutubeは再生回数による広告収入を得るビジネスモデルのため、再生回数を上げるために発信者の恣意的な内容が含まれる可能性があります。(過度な強調など)そのため、情報を鵜呑みにせず慎重に扱う必要があります。
あくまでPythonがどのようなものかを知りたい場合に留め、学習コンテンツとしては使用しないことをオススメします。
Pythonの学習を始めよう!
今回の記事では、プログラミング言語のPythonについて、基本的な内容と学習方法について解説をしました。
Pythonは世界的にも人気があり、学習者も増加傾向にありますが、需要もまだまだ増える今最もアツい言語です。
Pythonに興味がある方は、ぜひ今回の内容を参考にして学習を始めてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!