さまざまな業種・業務で活用されているPython。Pythonエンジニアを検討している方の中には、「自分のやりたい仕事、なりたい職種があるか不安」と悩む方も多いでしょう。
「Pythonエンジニアにはどんな仕事があるの?」
「AIやデータ分析以外の職種も知りたい!」
「それぞれの仕事でどんなスキルが必要か教えて」
この記事を読むことで、上記のような疑問やニーズが解決します。
Pythonエンジニアの職種は多種多様です。あなたの興味がある分野の仕事がきっとあるでしょう!
こんにちは、シントビ管理人のなかむーです。
私も調べてみて、Pythonエンジニアが活躍できる領域が多いことに驚きました。
今回も文系目線でわかりやすく解説していきます。
この記事ではPythonエンジニアの職種と必要スキルについて15種を紹介します。この記事を読んでいただくことで、自分の目指すPythonエンジニアの方向性が見つかるかもしれません。
ぜひ参考にしてください。
Pythonエンジニアの職種と必要スキル
早速、Pythonエンジニアの職種・仕事を15種一覧で紹介します。
それぞれの職種・仕事について、業務内容と必要スキルを紹介していきます。
AI・機械学習系
PythonはAI/機械学習に適したプログラミング言語で、「Pythonと言えば、AI/機械学習」という印象を持つ方も多いでしょう。AI/機械学習に興味がある方は、以下の職種を選ぶといいと思います。
AI/機械学習エンジニア
企業のAIシステム開発を担当するエンジニアです。PyTorchやTensorFlowといった機械学習ライブラリ(※)を使って、画像認識や自然言語処理のモデルを実装します。また、データの前処理からモデルの学習、評価、デプロイまでの一連のプロセスをPythonで構築します。
特にPythonはAI開発の標準言語として広く使用されており、豊富なライブラリやフレームワークが利用可能です。最近は生成AIのAPIを活用したシステム開発も増加しており、Pythonによる効率的な開発が求められています。
企業の業務効率化やサービス品質の向上に貢献する、今後さらに需要が高まる職種です。
※ライブラリについては初心者向け|Pythonのライブラリとフレームワークとは?違いや活用法を解説の記事を参照してください。
- ディープラーニングの基礎知識
- 機械学習アルゴリズムの理解
- 数学(統計・線形代数)
- データ前処理の知識
- モデル評価手法
など
日本はAI開発に適していると言われており、海外のAI関連企業が日本に注目。いち早く支社を日本に置いています。日本発のAIスタートアップ「サカナAI」もとても期待されています。
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MLOps(エムエルオプス)エンジニア
PythonでAI・機械学習システムの本番環境での運用を担当するエンジニアです。Pythonの豊富なMLOpsライブラリを活用して、モデルの継続的な学習パイプラインや性能モニタリングシステムを構築します。
また、実験管理や再現性の確保のためのバージョン管理システム、モデルの品質評価の自動化など、AIの運用に必要な基盤をPythonで実装します。特にKubeflowやMLflowといったPythonベースのMLOpsツールを使用し、AIモデルのライフサイクル全体を効率的に管理します。
従来のシステム運用とAIの専門知識の両方が求められる、比較的新しい職種で、AIの実用化が進む中、需要が高まっています。
- DevOpsの知識
- クラウド技術
- モニタリングスキル
- CI/CDの理解
- インフラ知識
など
MLOpsエンジニアには高度なスキルが求められますが、それに見合う報酬が得られます!
プロンプトエンジニア
ChatGPTなどの生成AIを最大限活用するための専門職です。企業の業務やサービスに合わせて、AIに適切な指示を出すためのプロンプト(指示文)を設計・作成します。
プロンプトエンジニアは単なる文章作成だけでなく、AIの特性を理解し、必要な制約や条件を組み込んでより精度の高い出力を実現します。その際にPythonを活用することで高度な処理が可能です。
また、プロンプトの評価・改善や、社内での活用方法の提案なども行います。生成AI時代の新しい職種として注目を集めています。
- 生成AIの特性理解
- プロンプト設計の知識
- タスク分解力
- ドメイン知識
- プロンプトパターン理解
など
プロンプトエンジニアの中には、Pythonのスキルがなくてもなれる求人があります。ただし、Pythonができると報酬はより高くなり、案件数も増えます!
プロンプトエンジニアについては、以下の記事で詳しく解説しています。
ビジネスデータ分析系
データ活用に優れたPythonは、データ分析を行う職種との相性が抜群です。特に大手企業の職種につけると年収1,000万円超えもざらです。
データサイエンティスト
企業内の様々なデータを分析し、経営判断に活用できる洞察を導き出す専門家です。機械学習を活用して、売上データや顧客データなどを統計的に分析し、将来の予測や最適な施策の提案を行います。
経営層に対してデータに基づく提案を行うため、分析力だけでなく、ビジネス理解力やコミュニケーション力も重要です。デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、需要が高まっている職種の一つです。
- 統計解析手法
- 機械学習の基礎
- データ分析手法
- ビジネス課題理解力
- 分析設計能力
など
昨今はより手軽にデータを分析して経営に活かすBI(ビジネスインテリジェンス)ツールが販売されています。しかし、より高度な分析がしたい、自社に適した分析を行いたいというニーズには、Pythonが向いているでしょう。
データアナリスト
企業活動で生まれる様々なデータを分析し、業務改善や問題解決のヒントを見つけ出す職種です。販売データの分析による売上改善や、顧客アンケートの分析によるサービス改善など、現場に直結した課題に取り組みます。
経営層や現場の担当者に対して、データに基づく具体的な改善提案を行うのも重要な役割です。データサイエンティストと比べ、より実務に近い分析業務を担当します。
- 統計の基礎知識
- データ可視化手法
- 分析手法の理解
- ビジネス分析力
- 課題発見能力
など
データサイエンティスト、データアナリスト……と似たような名称で混乱しますね。後半で違いをわかりやすく解説します。
>> 【参考】データサイエンティスト・データアナリスト・データエンジニアの違い
データ基盤系
データ分析の前段階であるデータの加工を中心業務とする職種です。
データエンジニア
企業の重要な資産であるデータを管理・活用するための基盤を作るエンジニアです。様々なシステムから発生する大量のデータを、効率的に収集・保存・処理するための仕組みを設計・構築します。
データの品質管理や、分析しやすい形への加工なども重要な仕事です。データサイエンティストやアナリストが効率的に分析できる環境を整備する、縁の下の力持ち的な存在です。
- データベースの知識
- ETLスキル
- インフラ知識
- SQLなどのデータベース言語
- データモデリング
など
データは企業の重要な資産です。そのデータ基盤を作るエンジニアには高い報酬を払う企業も多いですね。
IoTエンジニア
様々な機器をインターネットにつなげ、データを収集・活用するシステムを開発します。工場の製造ラインや建物の設備など、多様な機器からセンサーデータを収集し、効率的な管理や異常検知を実現します。
データの収集から保存、分析、可視化まで、IoTシステム全体を設計します。最近では5Gの普及に伴い、より高度なリアルタイム処理や遠隔制御のニーズも高まっており、活躍の場が広がっています。
- ネットワークの知識
- センサー技術の理解
- データ処理スキル
- セキュリティの知識
- システム設計力
など
今後来る自動運転の時代に向けて、自動車関連のIoTエンジニアは需要が増すでしょう。
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アプリケーション開発系
私たちが普段使用するアプリケーションの中にはPythonを使用したものも多くあります。実際に自分たちが扱うものを作れるのは、プログラミングの醍醐味の一つでしょう。
Webアプリ開発エンジニア
インターネット上で動作するWebサイトやアプリケーションを開発するエンジニアです。企業の業務システムや、一般ユーザー向けのサービスなど、様々なWebアプリケーションの設計・開発を担当します。YouTubeやDropboxが代表例です。
ユーザーが直接触れる画面の開発から、データを処理するサーバー側の開発まで、幅広い技術が必要とされます。モバイルアプリとの連携など、活躍の場は年々広がっています。
- フロントエンド技術
- バックエンド技術
- データベース知識
- UI/UXの理解
- セキュリティ知識
など
Pythonで作られたWebサービスは他にも、InstagramやSpotify、Amazon、Pinterestなどがあります。多数の商品やコンテンツを表示するサービスが多いですね。
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ゲーム開発エンジニア
Pythonを使用したゲーム開発エンジニアです。主にサーバーサイドの開発を担当し、ゲームの進行管理やプレイヤーデータの処理、マッチメイキングシステムなどを実装します。
また、ゲーム内の課金システムやランキング機能、プレイログの分析基盤なども開発。特にスマートフォンゲームでは、大規模なユーザーデータを扱うバックエンド開発が重要な役割となるでしょう。Pythonの高い生産性を活かし、急速に変化するゲーム業界のニーズに対応します。
- ゲームエンジンの知識
- 物理演算の理解
- アルゴリズムの知識
- 3D数学の基礎
- 最適化技術
など
実際にPythonでマリオを作った人がいます。
Pythonの実践的なスキルを学べる対面型スクールテックジムでは、初めからゲーム開発を行い学習します。たったの月額22,000円で通い放題、学び放題なので、Pythonのゲーム開発を目指す方は検討してみるといいでしょう。
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インフラ・運用系
インフラ・運用系に含まれる職種は、主に企業のバックオフィスで活躍する方々です。目立たないですが、企業の重要な役割を担う職種です。
オートメーションエンジニア
Pythonを活用して企業の業務自動化を実現するエンジニアです。Pythonの豊富なライブラリを利用して、データの収集・加工から、レポート生成、メール送信までの一連の作業を自動化します。
また、Webスクレイピング(※1)やAPI連携(※2)による外部システムとの統合、定期的な自動処理の実装なども行います。特にPythonは自動化に適した言語として知られ、企業のDX推進における重要な技術です。既存システムの効率化から新規の自動化まで、幅広い開発に携わります。
※1.Webスクレイピングとは、インターネット上の情報を自動で収集する技術。
※2.アプリやシステム間でデータ連携をすること。
- 業務プロセスの理解
- システム連携の知識
- スクリプティング
- 効率化手法
- テスト技術
など
単なる業務自動化はRPA(Robotic Process Automation)と競合します。Pythonの強みを活かせる分野での活躍を狙うのがいいでしょう。
セキュリティエンジニア
セキュリティ対策や分析を行うエンジニアです。セキュリティログの自動分析ツールの開発や、不正アクセス検知システムの構築を行います。
Pythonの強力なデータ処理機能を活用して、大量のセキュリティログからの異常検知や、脆弱性診断の自動化ツールの開発も担当。ペネトレーションテスト(侵入テスト)ツールの開発やカスタマイズも行います。サイバーセキュリティの分野では、Pythonは標準的な開発言語として広く使用されており、新たな脅威に対する防御ツールの迅速な開発が可能です。
- セキュリティの専門知識
- ネットワークの理解
- 暗号技術の知識
- 脆弱性診断スキル
- インシデント対応力
など
セキュリティは中〜大企業が特に気にする分野で、業績に関わらずお金が出やすいところです。そのため、高単価の案件も多いですね!
産業特化系
特定分野で活躍するPythonエンジニアを産業特化系としてまとめました。これらの職種は、専門知識を必要としますが、その分年収も高くなる傾向にあります。その分野で活躍している人が、Pythonも身に付けてステップアップするのも良いでしょう。
ロボット開発エンジニア
ロボットの制御システムを開発するエンジニアです。ロボットのセンサーデータの処理や動作制御のプログラミング、画像認識による周辺環境の認識など、ロボットの知能化を担当。
特にROS(Robot Operating System)では、Pythonが標準的な開発言語として使用されています。また、機械学習ライブラリを活用して、ロボットの自律的な動作や判断機能の実装も行います。産業用ロボットからサービスロボットまで、幅広い分野での活躍が期待されています。
- 制御工学の知識
- センサー技術の理解
- 信号処理の知識
- 機械力学の理解
- ロボット工学の基礎
など
ロボット×AI分野も非常に注目されている業界の一つですね。すでにAI搭載ロボットは開発されていますが、今後さらなる成長が期待できるでしょう。
金融エンジニア
金融システムを開発するエンジニアです。金融データの収集・分析基盤の構築や、取引システムのバックエンド開発、リスク管理システムの実装などを担当します。
Pythonは金融データの処理や分析に優れており、市場データのリアルタイム処理や大量のトランザクション処理にも活用されています。また、APIを活用した決済システムの開発や、フィンテックサービスの新規開発にも携わります。金融業界のデジタル化において、重要な役割を果たしています。
金融エンジニアは求人情報も多い職種です。金融系の職種の方がPythonを学習して金融エンジニアになるのは良い選択ではないでしょうか。
クオンツエンジニア
Pythonを駆使して金融市場の分析や取引戦略を開発するエンジニアです。数理モデルを実装し、市場データの統計分析や価格予測モデルの開発を行います。
Pythonの豊富な数値計算・統計解析ライブラリを活用して、ポートフォリオ最適化やリスク分析、アルゴリズム取引システムの開発も担当します。リアルタイムデータ処理と高度な数理モデルの実装が求められる中、Pythonは標準的なツールとして定着しています。
高度なスキルを求められ案件数も多くないですが、大手金融機関のクオンツエンジニアは年収1,000万円超えはざらです。お金の流れるところにお金は集まる……
バイオインフォマティクスエンジニア
生命科学データの解析システムを開発するエンジニアです。遺伝子配列の解析ツールの開発や、大規模な実験データの処理システムの構築を行います。
Pythonの生物学専用ライブラリを活用して、タンパク質構造の予測や、ゲノム解析パイプラインの開発も担当します。また、機械学習を活用した新薬候補の探索や、医療データの分析システムの開発にも携わります。バイオテクノロジー分野で、Pythonは不可欠なツールとなっています。
バイオテクノロジーは今後も伸びていく成長産業と言われています。人の健康や生命に関わるため、やりがいも大きいでしょう。
「Pythonエンジニアのやりたい仕事、なりたい職種が決まった!早く勉強を始めたい!」という方は、スクールで学び始めるのが絶対オススメです。
>> 【2025年最新】Pythonスクール比較5選|おすすめや選び方、費用、給付金も解説
【参考】データサイエンティスト・データアナリスト・データエンジニアの違い
さまざまな職種の紹介をしましたが、似た名称の職種があり、混乱した方も多いでしょう。「データサイエンティスト」「データアナリスト」「データエンジニア」です。
これらの違いをわかりやすくマトリックス図にしました。縦軸が「機械学習の利用の有無」横軸が「職種の系統」です。
職種に優劣があるわけではありませんが、機械学習を活用するデータサイエンティストやAI/機械学習エンジニアは難易度が高い職種です。
ドラゴンクエストの職業に例えると、こんな感じでしょうか。
機械学習を使う分、上級職の意味合いは強いですね。しかしデータエンジニアもデータアナリストも年収の高い職種です。
Python学習のロードマップ
Pythonエンジニアのやりたい仕事・なりたい職種が決まった方は、学習のロードマップを検討しましょう。初心者・未経験の方向けに、以下の記事で学習ロードマップと勉強時間、学習ステップについて、詳しく解説しています。
【初心者向け】Python学習ロードマップ!分野別の勉強時間とステップを紹介
まとめ
この記事ではPythonエンジニアの職種・仕事と必要スキルについて解説しました。Pythonエンジニア志望の方で、職種の方向性を決める参考になったら嬉しいです。
「Pythonエンジニアの年収はいくらくらい?」と気になった方は、以下の記事も参考にしてください。
Pythonエンジニアは本当に高年収?他言語・職種比較と年収の上げ方【2025年】
その他、シントビではPython学習に関する記事を多数公開しています。ぜひ他の記事もご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!