2025年ChatGPTのOpenAI社がサポートを表明した技術「MCP」。今後AIの標準規格として広まることが予想されています。
MCPって何?どんな技術
MCPでどんな未来になるのか知りたい
初心者にもわかるように教えて!
この記事を読むことで、上記のような疑問やニーズが解決します。
こんにちは、シントビ管理人のなかむーです。
最近注目を集めているMCPですが、非エンジニアには難しいですよね。しかしMCPを知ることは、AIの未来を予想する上で重要です。
今回も文系目線でわかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
- MCPとはどんな技術か
- MCPでAIの未来はどう変わるのか
初心者にもわかるように噛み砕いて説明します。ぜひ参考にしてください。
なぜMCPが必要なの?AIを”もっと便利”に

ChatGPTやClaudeのような生成AIが、私たちの仕事を手伝ってくれる場面が増えてきました。しかし、AIにファイルを探してもらったり、カレンダーアプリに予定を書き込んでもらったり、社内データと連携してもらったりするのはまだできません。
AIがもっと賢く、私たちの意図を汲んで、色々なツールを自在に使いこなしてくれたら…
こう感じたことはありませんか?
そんな願いを叶える技術が「MCP(Model Context Protocol:モデルコンテキストプロトコル)」です。MCPは、AIと私たちが日常的に使うツール(メール、カレンダー、ファイルなど)をスムーズにつなぐための新しい共通言語です。
MCPとは?AIをもっと便利にするための「共通言語」
MCPは生成AI「Claude」を提供するアメリカの企業「Anthropic社」が開発した技術です。2024年11月26日にオープンソース化が宣言されました。(参考:https://www.anthropic.com/news/model-context-protocol)
プロトコルは(主に通信の)「規格」のことで、簡単に言うと「取り決め」です。はがきを出す時に「1.切手を貼って、2.郵便番号と住所を書いて、3.宛名を書いたら届けます」という取り決めのようなイメージです。
これまでAIとツールの接続方法は定まっておらず、ツールごとにバラバラで、連携させるには専門知識や個別の設定が必要でした。
そこで接続方法がバラバラだとみんな困るよね?ということで作られた共通言語が、「MCP」です。MCPを簡単に一文で訳すと、「AIモデルに文脈情報を伝えるための取り決め」になります。
開発者はツールごとに連携方法を悩む必要がなくなります。それに伴って、私たちはもっと簡単にAIの能力を引き出せるようになるでしょう。
MCPは「AI業界のUSB-C」!AIとツールをつなぐ万能ポート
数年前まではスマホ、家電、ゲーム機などの充電ケーブルは全て別々でしたね。そのため、家にはさまざまなコードが溢れていました。それがUSB-Cの登場で、充電もデータ転送も映像出力も、一つのポートで済むようになり、とても便利になりました。
MCPが目指すのは、まさに「AI業界のUSB-C」。MCPに対応したツールであれば、AIは共通の方法でアクセスし、情報を取得したり、操作したりできるようになります。「このツールは対応しているかな?」と心配する必要がなくなるのです。
今まではスキルレベルの高いの人しかできなかったAIとツールの接続が、MCPの登場でスキルレベルが中くらいの人でもできるようになるでしょう。

MCPで何ができる? あなたの仕事がこう変わる!

MCPが普及すると、AIはあなた専属の優秀なアシスタントのように、様々なツールを使いこなしてくれるでしょう。まさにAIエージェント時代の到来です。
ケース1:あのファイル、見つけて要約しといて!
あなたは優秀な営業マン。毎日たくさんの商談が入っています。顧客との商談内容はいちいち覚えていられません。
たった今、商談が終わりましたが、次の商談までの時間は5分。缶コーヒーを飲んで一息つきたいのに…。あなたはAIに話しかけます。「先月のAさんとの商談内容を要約してくれる?」
AIはMCPを通じて、あなたのパソコンのフォルダにアクセス。該当の商談議事録ファイルを見つけ出します。そしてAIはファイルの内容を理解し、要約した結果をチャットで返してくれます。
あなたは缶コーヒーを飲みながら、AIからのチャットに目を通し商談へ。余裕を持って望め、無事に契約を獲得。
2025年4月時点で同じ結果を得ようとすると、あなたはフォルダへ議事録を探しにいき、議事録ファイルの中身を生成AIに渡す必要があります。ファイルを探すのに、数分以上かかる場合もあるでしょう。一息なんてついていられません。
しかし、MCPができたことで、あなたはわざわざファイルを探して、AIにテキストデータを渡す必要がなくなりました。落ち着いてあなたにしかできない商談に集中し、結果を残すことができるでしょう。
ケース2:商品の注文履歴を教えて!
あなたはピンチを迎えています。市場の急な変化で、商品原料が高騰しそうに。購入判断は一刻を争います。
そこであなたはAIに指示します。「過去3年間の顧客AとBとCからの注文のうち、商品Xの注文を月ごとにまとめて頂戴!」
AIはMCPを介して、社内の注文管理システムに接続。過去3年間の顧客A,B,Cからの注文のうち、商品Xの注文を取得。AIは月ごとに数量を整理し、ご丁寧にグラフにして、傾向までまとめたレポートを提示してくれました。
あなたはそのデータを元に、即座に原料を発注。原料価格が高騰する前に確保できました。
今までなら膨大な注文データの中から、該当顧客・該当商品をピックアップして整理するのにとても時間がかかっていたでしょう。それが、40文字のプロンプトで完了します。
ヒューマンエラーも避けられ、時間・お金・労力の大幅な節約が可能です。
ケース3:スケジュールを入れて、Web会議も招待しておいて!
あなたはAIに言います。「未読メールのうち、重要なものを要約して読み上げて」
音声入力で指示を受けたAIは、MCPでメールの内容を確認し、報告。「重要なメールは1件です。X社のY部長より、mm/ddの面談OKの連絡です。」
「よし!カレンダーにスケジュールを入れて、Web会議の設定もしておいてくれ!そしたら会議URLをY部長に連絡してね。そうだ、AさんBさんも招待しておいて」あなたは言いました。
AIはMCPでカレンダーに予定を入れ、Web会議のURLを発行。X部長、Aさん・Bさんにそれぞれ招待の通知を出しました。
まるで大企業の社長のような秘書の使いっぷり。いいえ、あなたはただのフリーランスです。
これは私の理想です笑。
私もフリーランスをしているので、自分のことはすべて自分でやらなければなりません。顧客や取引先に合わせて、さまざまなツールを使う必要もあります。(メール、Teams、Chatwork、Slack、LINE…うんざりします笑)
MCPで全てのツールの接続方法が統一されれば、一連の調整がすべてAIで可能になるでしょう。これがいつ実現するかはわかりませんが、早く実現してほしいですね。

MCPはどう動くの? 仕組みをわかりやすく解説

MCPは、大きく分けて3つの役割で成り立っています。
- MCPホスト:
AIモデル(例:Claude)が動作する環境。あなたの指示を受け取り、答えを返すAIの「本体」がいる場所です。 - MCPクライアント:
あなたが直接操作するアプリケーション(例:Claude Desktop)。あなたの指示をAIに伝え、必要に応じてMCPサーバーと通信します。 - MCPサーバ:
ファイル、データベース、Webアプリなど、実際の情報を持っているツール側との「橋渡し」。クライアントからの要求に応じてツールから情報を取得し、提供します。

この連携により、AIはあなたの許可のもとで必要な情報にアクセスし、より役立つ回答ができるようになります。これがMCPの基本的な仕組みです。
念のため。外部のWebアプリに接続するにはWeb APIで情報を取得できるようになっている必要があります。初心者向けのため、省略しています。

MCPが広がった世界|AIが日常に溶け込む

MCPのような技術が普及すると、私たちの働き方やAIとの関わり方は、さらに進化していくでしょう。
面倒な作業はAIにお任せ
定型的なレポート作成、会議の文字起こしと要約、問い合わせへの一次返信など、これまで人間が時間をかけていた作業の多くを、AIが代行してくれるようになります。
私たちは、より創造的で、人間にしかできない判断やコミュニケーションに集中できるようになるでしょう。
「AIを使っている」と意識しない未来
将来的には、私たちが特定のアプリを開いたり、操作したりすることなく、AIに話しかけるだけで良くなるでしょう。裏側でMCPを通じて必要なツールが連携し、最適な答えや結果を返してくれるのが当たり前になるかもしれません。
AIがまるで秘書のように、私たちの仕事や生活をサポートしてくれる存在になるのです。
スマートグラスやスマートウォッチなどにもAIが搭載され、MCPでさまざまなツールと接続される未来が来たらワクワクしますね。SFの世界がもうすぐかもしれません。

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MCPは、AIを“真のパートナー”にする鍵となるのか
MCPは、AIが持つ潜在能力を最大限に引き出し、私たちの仕事や生活をより豊かにするための重要な技術です。AIとツールがシームレスにつながることで、開発は効率化され、ユーザーである私たちは、かつてない利便性を手に入れることができるでしょう。
活用例で紹介したのは想像であり、まだ発展途上の技術ではあります。しかし、MCPが切り拓く未来は、私たちがAIを単なる「ツール」としてではなく、「頼れるパートナー」として迎え入れるための大きな一歩となるのではないでしょうか。
今のうちにMCPの可能性を知っておくことは、これからのAI時代を賢く生き抜くための、きっと大きなアドバンテージになるはずです。引き続き、一緒に学んでいきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!