ノーコード(プログラミングなし)で簡単に高度なAIアプリを作れるプラットフォームの「Dify(ディフィー)」。業務改善のために注目している方も多いでしょう。

Difyって何ができるの?
Difyでできないことも確認して、導入判断したい

この記事を読むことで上記の疑問やニーズが解決します。

Difyは単にAIと会話するだけでなく、社内資料を読み込ませたり、複雑な業務手順を自動化したりと、生成AIを「社内専用の業務システム」へと進化させることができます。

こんにちは、シントビ管理人のなかむーです。

Difyは多機能ゆえに「どこまでできるのか」「どこからはできないのか」がわかりにくいですよね。

今回も文系目線でわかりやすく解説していきます。

この記事を読むことで以下のことがわかります。

Difyが自社の課題を解決しうるのか、イメージが掴めるでしょう。Difyの概要について確認したい方は以下の記事も参考にしてください。

Difyの機能・できること

Difyは、生成AIを「個人が使うツール」から「業務で運用するシステム」へ引き上げるための機能を網羅的に備えた、オープンソースのLLMアプリ開発プラットフォームです。Difyで具体的に何ができるのか、主要な機能ごとに解説します。

オープンソースとは、ソフトウェアの設計図にあたる「ソースコード」を無償で一般公開し、誰でも自由に改良や再配布ができるようにした仕組みのことです。世界中の開発者が協力して不具合を直したり機能を追加したりできるため、透明性が高く、進化が早いという特徴があります。

AIアプリをノーコードで作成・管理できる

専門的なプログラミング知識がなくても、ブラウザ上の操作だけで用途に応じたAIアプリを構築できます。

具体的には以下の通りです。

  • 用途に合わせた5つのアプリ形式
    • チャットボット
      最も標準的な対話型AI。
    • チャットフロー
      条件分岐などを用いて複雑な対話ロジックを設計できる対話型AI。
    • エージェント
      ツール(検索や計算など)を自律的に組み合わせてタスクを遂行するAI。
    • ワークフロー
      特定の業務プロセスを自動化する、非対話型の実行アプリ。
    • テキスト生成
      入力フォームに項目を埋めるだけで、決まった形式の回答を得られるアプリ。
  • 複数アプリの一元管理
    部署や業務ごとに異なるナレッジやプロンプトを設定したAIアプリを、1つの画面で管理・運用できます。
  • テンプレート活用
    既存のアプリを複製したり、用意されたテンプレートをベースにカスタマイズしたりすることで、スピーディな横展開が可能です。

複雑な業務を「ワークフロー」として自動化できる

単なるチャットボットにとどまらず、業務の処理手順そのものをフロー図のように設計・自動化できます。

  • ノードベースの視覚的設計
    「入力」「条件分岐」「LLMでの生成」「外部ツール実行」などの部品(ノード)を線でつなぎ、視覚的にロジックを組み立てられます。
  • 多段プロンプト処理
    「1つ目のLLMで要約し、その結果をもとに2つ目のLLMでメール本文を作る」といった、高度なステップ処理が可能です。
  • 入力バリデーション
    ユーザーの入力内容に漏れがないか、形式が正しいかをチェックする機能を備え、業務システムとしての安定性を確保できます。

例えば、商談情報を入力したら、営業日報として整形してくれるアプリを作ったとします。その際に、販売先が代理店だった場合には、フォーマットを変更する、といった設計が可能です。

社内データを使ったAI(RAG)を構築できる

自社のドキュメントやマニュアルを学習(参照)させ、AIがそれに基づいた回答を行う「RAG(検索拡張生成)」を簡単に構築できます。

  • 多様なファイル形式の取り込み
    PDF、Word、Notion、WebサイトのURLなどから直接データを取り込み、ナレッジベース化できます。
  • 高度な検索設定
    文書の分割方法(チャンク分割)や、検索の精度(類似度しきい値)を細かく調整でき、精度の高い回答を導き出せます。

追加で学習させるだけなら、ChatGPTやGeminiでもできますが、前段の「用途に合わせたアプリ形式」と組み合わせることで、自社の業務に最適化されたアプリが作成可能です。

外部ツール・社内システムと連携できる

APIや「ツール」機能を通じて、AIに現実の操作を行わせることができます。

  • APIによるシステム組み込み
    Difyで作成したAI機能を、既存の自社システムやWebサイトからAPI経由で呼び出せます。
  • ツールの拡張(Google・Slack連携など)
    Google検索で最新情報を調べたり、生成した回答を直接SlackやLINEへ通知したりする連携が可能です。

ここまで使いこなせると、自社業務が著しく改善するでしょう。ただし、APIの設定には専門的な知見も必要になってきます。

API(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェアやプログラム同士が、特定のルールに従って情報をやり取りするための「窓口」や「橋渡し」の仕組みです。

これを利用することで、ゼロから開発することなく、外部サービスの便利な機能を自分のアプリやシステムへ簡単に組み込むことができます。

運用・改善のための分析と管理ができる

AIアプリを公開して終わりではなく、回答の質を継続的に向上させるための機能が充実しています。

  • 会話ログと注釈(アノテーション)
    ユーザーとのやり取りをすべて記録。誤った回答には「正しい回答」を学習させることで、次回の精度を向上させられます。
  • バージョン管理とロールバック
    設定を変更して不具合が出た場合でも、過去の正常なバージョンへ即座に戻すことができます。
  • マルチモデル対応
    ChatGPT、Claude、Geminiなど、複数の最新モデルを切り替えて比較・利用できます。

アプリは「作って終わり」ではなく、「作ってからが始まり」です。ユーザーの利用状況や内容をログで確認できるため、よりよいアプリへの改善が可能です。

Difyで現時点ではできないこと・苦手なこと

Difyは非常に強力なツールですが、万能ではありません。導入後に「想定と違った」となるのを防ぐため、設計上の制限や苦手な領域を正しく理解しておく必要があります。

UI/UXを完全に自由設計したフロントエンド開発

Difyは標準的なチャットUIやフォームUIを即座に生成できますが、ボタンの配置、独自のグラフ表示、複雑な画面遷移などを伴う「リッチなWebアプリ」を構築する機能は持っていません。

独自のUIが必要な場合は、Next.jsなどでフロントエンドを別途開発し、Difyはバックエンド(API)として利用する構成をとる必要があります。

APIを使えば、SalesForceやkintoneといったアプリから、Difyを呼び出すことも可能です。

データベース型アプリ(CRUD操作)の構築

Difyは「情報の入出力と生成」に特化したフロー型設計のため、大量のデータを一覧表示して直接編集したり、テーブル間の複雑な関連性を維持したまま更新・管理し続けるインターフェースや制御機能を持っていません。

そのため、顧客一覧や商品管理のように、データの登録・参照・更新・削除を繰り返す管理画面系のアプリ構築には向いていません。

データの蓄積・管理は既存の業務システムやkintone、Notionなどで行い、Difyはそこからデータを取り出して「AI処理」を行う役割に特化させるのが良いでしょう。

複雑な状態管理を伴う「長期トランザクション」の処理

数日間にわたる承認フローの進捗管理や、一時保存を繰り返すような複雑なビジネスプロセスの管理は困難です。 Difyはあくまで「入力に対して即座に応答を返す」短期セッションが基本です。

例えば、「ワークフローシステムで上長が承認した3日後に、AIが次のステップを実行する」といった、外部の判断を待って長期間プロセスを停止・再開させるような設計には不向きです。

大量トラフィック前提の大規模システム運用

Difyは業務効率化には十分な性能を持ちますが、数十万人が同時にアクセスするような大規模BtoCサービスの中核基盤として運用するには、標準構成ではスケーラビリティや負荷耐性の面で課題があります。

例えば、大規模なECサイトのチャットボットのような使い方には不適です。小中規模であれば、組み込み可能でしょう。

完全オフライン・閉域網での運用

Difyはオープンソースのセルフホスト版であっても、セットアップやモデルの呼び出しにインターネット接続を必要とする場面が多いです。完全に外部通信を遮断した環境では、標準構成のままでは動作しません。

AIモデル自体の再学習(ファインチューニング)

Difyは「既存のAIモデルをどう使いこなすか(RAGやプロンプト)」を調整するツールであり、AIモデルの重みを書き換える「学習」機能は持っていません。

完全自律型エージェントによる業務代行

「目標だけ与えれば、AIが勝手に判断してタスクを無限に回し続ける」といった完全自律型の代行(ChatGPTのエージェントモードAutoGPTのような挙動)は想定されていません。

AIがどんどん賢くなる時代、「このまま今の仕事だけで大丈夫かな…」と不安を感じますよね

実際、事務・営業・販売の一部業務はAI化が急速に進んでいます。ですが、AIを扱う”ITサイドの仕事”はむしろ不足しています。

そしてIT未経験でも、AIに強い仕事へ”半年で”キャリアチェンジした人が増えていて、今の不安を”強いキャリア”に変えるチャンスです。

新しいキャリアに挑戦したい方は以下の記事も参考にしてください。

詳しく学びたいなら「ゼロからわかるDifyの教科書」がおすすめ!

Difyのさらに詳しく学んだり、実際に使ってみたりしたい場合には、書籍での学習がおすすめです。

中でも「ゼロからわかるDifyの教科書 ~生成AI×ノーコードでかんたん業務効率化」は全ページカラーで非常に見やすく、初心者にもわかりやすい内容になっています。

著者のにゃんた氏は登録者数6万人以上のYouTuber。生成AIやAI関連の情報を発信しているので、こちらもオススメです。YouTubeチャンネルはこちら

Difyで「AIを使いこなす」第一歩を踏み出そう

Difyは、単なるチャットツールを超え、自社専用のナレッジを組み込んだり、複雑な業務フローを自動化したりできる、極めて自由度の高いプラットフォームです。

大規模システムへの組み込みや、厳密な数値管理など苦手な領域もありますが、「社内業務をAIで効率化したい」というニーズに対しては、現時点で最も有力な選択肢の一つと言えるでしょう。

「自社でどこまで活用できるか」を判断するには、まずは実際に触ってみるのが一番の近道です。

  • 手軽に試したい方
    管理不要で即座に始められるDify公式サイトで、無料のSandboxプランからスタートしてみましょう。
  • 自社データ保護を重視する方
    自社サーバーに構築できるセルフホスト版(コミュニティ版)を検討してみてください。

まずは身近な「FAQチャットボット」や「日報の要約ツール」など、小さなアプリから作ってみることをおすすめします。AIを「使う」側から「自社に合わせて作り変える」側へ、一歩踏み出してみませんか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!