2025年2月にリリースされたChatGPTのエージェント機能「Deep Research(ディープリサーチ)」。人力では数十時間にも及ぶリサーチ作業が、わずか数十分で完了できると話題です。
Deep ResearchってWeb検索機能と何が違うの?
Deep Researchの使い方が知りたい!
効果的に活用するコツは?
この記事を読むことで、上記のような疑問やニーズが解決します。
Deep Researchは有料版ユーザーなら誰でも利用可能で、無料版ユーザーでもDeep Researchの軽量版が利用できます。
こんにちは、シントビ管理人のなかむーです。
先日賃貸マンションの排水トラブルがあった使いましたが、とても便利で驚愕しました。非常に有用な機能です!
今回も文系目線でわかりやすく解説していきます。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
- Deep Researchの基本
- Deep Researchの使い方
- Deep Researchから質の高い回答を得るコツ
日々、さまざまなリサーチ作業に時間を費やしている方、専門的な知識が必要で困っている方は、ぜひ活用してみてください。
ChatGPTのDeepResearchとは?まず押さえる基礎知識

Deep ResearchはChatGPT内に追加されたエージェント機能で、インターネット上を自律的に巡回し数十〜百件の資料を読み込み、引用付きレポートを生成します。
例えば、新規事業の立ち上げで市場調査をしたいときや、不動産賃貸でトラブルに合ったときなど、專門的な情報を大量に調べたい場合に役立ちます。他にも税務や法務、確定申告や行政サービス、旅行やレジャーなど、リサーチを必要とするあらゆる場面で役立ちます。
Deep Researchの正式版を利用できるのはPlus以上の有料ユーザーのみです。ただし、無料版ユーザーもDeep Researchの軽量版を月に5回まで利用できます。
結果はチャット内にレポート形式で出力されます。リサーチにかかる時間は約5〜30分程度ですが、その間は別の作業が可能です。
エージェント機能とは、ChatGPTがユーザーの指示に基づいて自律的にタスクを実行する機能です。
従来のSearch(Web検索)やGPT-4oとの違い
これまでもChatGPTが持つ知識から回答を得たり、Web検索でインターネット上の情報を取得したりできました。今回のDeep Researchとは何が違うのか、わかりやすく表にまとめました。
Deep Research | ChatGPT Search | GPT-4o(通常チャット) | |
---|---|---|---|
主目的 | 徹底調査・分析 | 即答用の情報検索 | 会話・生成・マルチモーダル |
反応速度 | 5–30 分 | 数秒 | 数秒 |
収集範囲 | 数百サイト・PDF・画像 | ニュースやWebページ数件 | 内部知識+必要に応じ検索 |
出力 | 引用付きレポート(表・図あり) | 要約+リンク | 自由形式 |
代表ユースケース | 市場調査/学術レビュー | 天気・株価・定義確認 | ブレスト・翻訳・画像解説 |
ポイントは以下です。
- Searchは速さ、Deep Researchは深さを重視。
- GPT-4oはリアルタイム対話に優れるが、網羅性と引用の透明性はDeep Researchが勝る。
- 目安:「数行の答え」→ Search/GPT-4o、「資料作成レベルの検証」→ Deep Research。
5〜30分かけてリサーチする仕組みをザックリ解説
Deep Researchがどのように調査しているのか気になる方もいいでしょう。その仕組みをザックリと解説します。
- タスク受理
ユーザーがDeep Researchに質問やファイルを送信。 - 探索フェーズ
エージェントが検索⇒閲覧⇒要約を自動ループし、関連情報を網羅。 - 分析フェーズ
o3モデルがデータ整理・統計計算・矛盾チェックを実施。 - レポート生成
構造化本文、表・グラフ、引用リンクを付けてドラフト完成。 - 通知と確認
完了時にチャットへレポート+思考ログを送信。
全行程でおよそ5〜30分程度です。
このエージェントにより自律的なワークフローにより、人が数時間かけるリサーチ作業を“放置して”任せられるのが、Deep Researchの最大のメリットです。

Deep Researchの対応プラン・料金・タスク上限の最新ルール

Deep Researchを利用できるプラン、およびタスク上限について一覧表で紹介します。
プラン | 月額 | 月間タスク上限 | 備考 |
---|---|---|---|
Free | 0 | 5 | 軽量版のみ、検索結果が短め・簡易版 |
Plus | 20ドル | 25 | ー |
Team | 30ドル/アカウント | 25 | Plus相当の機能を共有ワークスペースで利用 |
Pro | 200ドル | 250 | 企業並みの上限・優先トラフィック |
Enterprise | 個別見積もり | 25/ユーザー | SSO・監査ログが付属 |
有料プランにおいて、フル版の上限に到達後は、同月内、o4-miniベースの軽量版に自動的に切り替わります。(2025年4月24日更新)
クレジット更新日と残枠の確認方法
Deep Researchの残利用可能回数と更新タイミングは、以下の画像のようにチャット欄の「Deep Research」にマウスオーバーすることで確認できます。

小さいですが、「残り ◯回 (期限: ◯月◯日)」と表示されています。
更新日については、ディープリサーチを初めて利用した日から、30日間の利用期間が始まります。これはプランの請求日とは関係ありません。その後は、30日ごとに制限がリセットされます。
Deep Researchの更新日とプランの請求日は関連がない点に注意してください。

ChatGPTのDeep Researchの使い方

Deep Researchの使い方は簡単です。チャット画面の下側に表示されている「Deep Research」をクリックして、有効化します。

「Deep Research」の文字が青くなり、画面の表記も「何をリサーチしますか」に変更されました。

質問を書き込み、必要に応じて画像・PDF・CSVなどをファイルを追加します。
ChatGPTのDeep Researchを実例解説
例として不動産の退去関する個別相談をしてみましょう。
以下は私が実際に経験した不動産賃貸の退去時におけるトラブルの相談です。(金額は少し変えているのと、色々割愛しています)
先日東京の賃貸マンションから退去することになり、不動産管理会社よりクリーニング代等の請求がきています。
気になる項目は以下の2つ。
・クリーニング代:10万円
・床清掃:5万円
クリーニング代について、管理会社は特約事項に記載があるため、支払う義務があると主張しています。確かに特約事項に「クリーニング代は借り主負担」と記載がありますが、内容・金額の記載はなく、契約時に説明も受けていません。
床清掃についてはワックス剥離、ワックス掛けとのことですが、こちらは契約書に記載自体がありません。
これらは私が負担すべきでしょうか?
情報が不十分な箇所があれば、ChatGPTが確認してくれます。左上はChatGPT 4oと表示されていますが、Deep Researchはo3モデルです。

質問に回答したところでリサーチが開始されました。右側にはアクティビティが表示され、現在何をしているかが表示されます。また、独り言を言ったりもします。

約12分かかりましたが、回答が出力されました。10件の検索を行い、25件の情報源から情報を取得したようです。

タブを情報源に切り替えると、参照した情報源が表示されました。

ちなみに回答結果は、100点満点です。実際に体験したので断言できます。
私はその時、数時間(もしかしたら10時間を超えているかもしれません)調べて、同じ回答を得ることができました。ネット検索をしている時間がほとんどで、最高裁判例を調べたり、国土交通省のガイドラインを調べたり、ととても大変でした。
それがわずか12分で裏付けの情報まで取得し、また交渉の方法まで指示してくれたのです。あの時にこの機能があったら、あれほどの苦労はしなかったでしょう。
余談ですが、クリーニング代などを理由に敷金の返還を請求したのを拒否され、最終的に簡易裁判までいきました。ほぼ勝訴の和解となり9割方返還されました。
このような知識(知恵)が月わずか20ドルで手に入るのは、素晴らしいの一言です。

Deep Researchで質の高い回答を得るコツ

Deep Researchで質の高い回答を得るためのコツを紹介します。
①目的 ②制約・条件 ③テンプレートの順に指示する
良い答え(人生)は、良い質問から始まる
“Quality questions create a quality life.”by Tony Robbins
生成AIとの対話全般に言えることですが、良い答えを得るには、良い質問が重要です。
①はじめに質問の目的や目標を示すと良いでしょう。
例:私は紅茶の市場調査をしています。新規参入して、1年後に1,000万円に到達できる見込みがあるかどうかが知りたいです。
②続いて制約や条件がある場合には記載します。
例:市場は日本です。この事業の人員は私一人です。プロモーションに使用できる予算は30万円です。参照してよい情報源は2024年以降のものに限ります。
③出力のフォーマットがあれば指示しましょう。
例:セクション毎に見出し+本文+表の形式で出力してください。また末尾に参考文献リストを提示してください。
こうすることで、エージェントが無駄な情報を拾わず、レポートの体裁も整います。
アウトラインや保有資料を共有して、文脈をAIに伝える
Deep Researchにあらかじめ構想中のアウトラインや関連資料を共有することで、文脈のズレを防ぎ、的確な調査結果を得やすくなります。
- 調査範囲の自動チューニング
既存調査のPDFやWord資料を添付することで、AIはその内容を理解し、不要な領域を避けた検索・分析を行います。 - 回答の一貫性が高まる
たとえばアウトライン内に「第2章で競合比較」と明記されていれば、AIはその構成に沿ってセクション分けされたレポートを返す傾向があります。 - 再編集の手間が減る
必要な要素・不要な視点が明確に伝わるため、後から修正依頼を出す回数が減り、全体の作業時間も短縮できます。
資料が手元にない場合でも、プロンプト内に簡単なアウトラインを書き込むだけで大きな効果があります。
以下の構成で調査してください
- 市場の現状
- 主要プレイヤーとシェア比較
- 技術動向と将来予測
- 成功事例と失敗要因
このように前提を共有することで、AIの認識と出力品質が飛躍的に向上します。

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実践的な内容が学べたり、転職支援が受けられたりと、独学で学ぶよりも効率的です。興味がある方は以下の記事を参考にしてください。
ChatGPTのDeep Researchを活用しよう!
この記事ではChatGPTのDeep Researchについて解説しました。
Deep Researchは通常数十時間かかるリサーチ作業をわずか数十分で完了してくれる驚きの機能です。しかしレポート形式で出力してくれ、情報源も示してくれます。
このDeep Researchを活用すれば、私達は飽き飽きするリサーチ作業から解放されることでしょう。
今回の内容を参考にぜひ活用してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!