ChatGPTをマーケティングに活用したい
顧客分析をするにはどうしたらいい?
プロンプトの例を知りたい
この記事を読むことで、上記のような疑問が解決します。
ChatGPTはマーケティング分野での活用にも大きく期待できます。
特にネット上の情報を元にした顧客分析や、推論の領域はChatGPTの得意分野です。
こんにちは、シントビ管理人のアキラです。
現代ビジネスにおいて、マーケティングは必修科目と言えますが、分析手法が多く、またとても時間がかかります。ChatGPTを活用して、効率化しましょう!
今回も文系目線でわかりやすく解説していきます。
この記事を読んでいただくことで、マーケティングにおける一丁目一番地の「顧客分析(顧客理解)」について、ChatGPTの具体的な活用方法が学べます。
普段の業務や副業など様々な場面における顧客分析に活用できますので、ぜひ参考にしてください。
顧客分析とは?
マーケティングのプロセスはどれも重要ですが、その中でも特に重要なものは?と言われたら、「顧客理解」が挙げられるのではないでしょうか。
なぜならマーケティングの根本的な目的は、「顧客のニーズや欲求を満たすこと」だからです。顧客が求めているものを提供することで、企業や個人は収益を上げられます。
そして顧客が求めているものを理解するために行うのが、「顧客分析」です。
顧客理解のステップは、大きく分けて以下の手順で行ないます。
- データを収集する
- データを整理・分類する
- データを分析する
- インサイトを抽出する(洞察を得る)
- ペルソナを設計する
顧客分析を行うには、まず分析の元になるデータが必要です。データの収集には様々な方法がありますが、質の良いデータを大量に集められると精度が高まります。
質の良いデータを集めるには、以下のような方法が効果的です。
- アンケート調査
- インタビュー調査
- CRMツールの顧客情報
- ECサイトの購買履歴
など
そのようなデータを集めるのが難しい場合には、インターネット上にある信頼できそうなデータを集めると良いでしょう。
データの集め方は次項で解説します!
ChatGPTを活用して顧客分析を行う方法
今回はアンケート調査やインタビュー調査は行っていませんので、別の形でデータを収集し、いくつか顧客分析を行ないます。
Googleの検索結果を元に顧客分析を行う
まずはGoogleの検索結果の中から、上位に表示された記事を元に顧客分析を行ないます。
詳細は省きますが、Googleの上位に表示されている記事は検索キーワードにおけるユーザーのニーズを満たす記事が並ぶようになっています。そのため、上位に表示された記事に掲載されている内容を分析すれば、検索ユーザー(顧客)のニーズが分析できる、というわけですね。
あなたはプロのマーケターです。
Google検索で上位表示された以下の記事を参考に、検索ユーザーのニーズを推測してください。
検索ワードは、「名古屋,ホテル」です。
・xxxxx
URL
〜 10記事を抽出 〜
検索ワード「名古屋,ホテル」に対する上位表示された記事から、検索ユーザーのニーズを推測すると以下のようになります:
- 宿泊オプションの多様性:ユーザーは名古屋での宿泊に際して、様々なタイプのホテルや旅館を求めています。一般的なホテルから高級ホテル、地域特有の旅館まで、幅広い選択肢を探しています。
- 価格比較と予算に基づく選択:トリバゴやブッキングドットコムなどの価格比較サイトへのリンクが含まれていることから、ユーザーは宿泊費用を比較し、予算に応じて最適な選択をしたいと考えている可能性が高いです。
- 地理的な位置:名古屋駅、伏見、丸の内など特定の地区に関する情報も検索されています。これは、ビジネス利用者や観光目的で訪れるユーザーが特定の地区に近いホテルを求めていることを示しています。
- 高級宿泊施設への関心:「高級ホテル11選」のような記事が存在することから、一部のユーザーはラグジュアリーな宿泊体験を求めています。特別な旅行や記念日などのために高級ホテルを探している可能性があります。
- 公式情報の重視:公式サイトへのリンクが含まれていることから、ユーザーは直接的な情報源や公式の予約チャネルを通じて確実な情報や予約を求めています。
- 観光と宿泊の組み合わせ:観光地としての名古屋に関心があるユーザーもいるため、観光地に近いホテルや旅館の情報が求められていると考えられます。
以上の点から、名古屋でのホテル検索ユーザーは価格、立地、施設の種類、特定のサービス品質を重視しており、これらの要素に基づいた情報提供が有効です。
このように検索結果を元に、顧客の検索ニーズを推測することが可能です。
注意点としては、検索結果の上位に表示される広告や、検索キーワードと明らかに関係がない記事、AmazonなどのECサイトやYahoo知恵袋などのナレッジサイトは、ノイズになるたため除外しましょう。
今回は範囲の広い検索キーワードを用いましたが、より詳細なキーワードを入れたり、複数の検索キーワードによる検索結果を用いることで、より詳細な顧客分析が可能になるでしょう。
この方法は、SEO(検索エンジン最適化)対策を行う場合に特に有効です。
加工済みの調査結果を元に顧客分析を行う
次に見やすく加工された調査結果のデータを活用して、顧客分析を行ってみましょう。
今回はリクルート社の旅行予約サイト「じゃらん」が行った「国内宿泊旅行ニーズ調査 2023~2024 冬 調査報告書」のPDFデータを拝借して、顧客分析を行います。
添付したファイルは、日本国内の宿泊旅行におけるニーズ調査の資料です。
この資料を元にユーザーニーズを分析し、得られる傾向などを報告してください。
この調査報告書から得られる日本国内の宿泊旅行ニーズの傾向は以下の通りです:
- 旅行先の選択:
- 東京都が冬と年末年始の旅行先として最も人気があり、特にスポーツ観戦や芸能鑑賞、テーマパーク訪問が主な目的です。
- 北海道や千葉県では、温泉や宿でのんびり過ごすことが主要な旅行目的で、地元の美味しい食事も重視されています。
- 予算:
- 旅行者の平均的な支出は宿泊費、交通費、現地での消費に分かれ、冬季と年末年始で異なりますが、中央値としては宿泊費15,000円、交通費10,000円、現地消費12,000円程度です。
- 旅行者の属性:
- 若年層は旅行意向が比較的高く、特にテーマパークやスポーツ観戦などのアクティブな目的で旅行を計画しています。
- 年齢層が上がるにつれて、宿でのんびりと過ごす旅行や温泉を楽しむ旅行のニーズが高まります。
- 決済方法:
- キャッシュレス決済の利用が増えており、特に若年層ではスマートフォンOS決済やQR・バーコード決済が利用されていますが、キャッシュレスが利用できないことによる消費控えも報告されています。
- 宿泊施設に対する要望:
- 清潔感、良質な食事、手頃な価格が宿泊施設に対する主要な要望として挙げられています。
以上の結果から、日本国内での宿泊旅行市場は、地域や性年代によって異なるニーズが存在し、特に若年層をターゲットにしたテーマパークやアクティビティ重視のプロモーションが有効であること、また、全年齢層にわたってキャッシュレス決済の選択肢を拡充することが重要であることが示唆されます。
今回使用したデータはすでにまとめられたものですが、自社で収集した膨大な生データから傾向を分析するのは、大変骨が折れる作業です。
ChatGPTを活用することで、ニーズの分析や傾向把握が簡単になります。
ネット上には膨大なデータがあり、まさに宝の山です。自社が欲しいデータを探す際にも、ChatGPTは活用できます。
サポートしているファイルの形式は、CSV・Excel・PDF・TXTです。
生データを元に顧客分析を行う
今度はCSVによる生データ(加工していない元データのこと)で試してみましょう。
ある日のイタリア料理店の注文履歴をCSVファイルで作成しました。項目は、「年齢」「性別」「注文商品」「金額」です。
それではChatGPTに分析させてみます。
添付したファイルはある日のイタリア料理店の注文履歴です。
このデータから読み取れる顧客ニーズや傾向を分析してください。
このイタリア料理店の注文履歴データから読み取れる顧客ニーズや傾向は以下の通りです:
1. 年齢層の傾向
- 30代が顧客の大部分を占めており、全体の72%に達しています。これは、30代が主要な消費層であることを示しています。
- 40代と20代はそれぞれ16%と12%で、30代に比べてかなり少ない数値です。
2. 性別の分布
- **女性の顧客が58%**と男性よりも多く、女性客が多い傾向にあります。
3. 注文された商品
- パスタが最も人気の商品で、全注文の66%を占めています。価格が1200円と手頃であるため、特に人気があります。
- アクアパッツァ(25%)とピザ(14%)は比較的注文数が少ないですが、アクアパッツァの平均金額が最も高い(2500円)ため、高価格帯の商品も一定の需要があることがわかります。
4. 価格帯の選好
- 各商品の価格帯が異なるにも関わらず、最も安いパスタが最もよく注文されていることから、価格感度が高い顧客層が多いと推測できます。
- アクアパッツァのような高価格商品も一定の注文があり、特に高価な料理を求める顧客層も存在することが示されています。
このデータをもとに、店舗では30代女性を主なターゲット顧客として、価格帯ごとにメニューを豊富にする戦略が有効であると考えられます。また、パスタのバリエーションを増やすことでさらなる顧客の獲得が見込めるでしょう。
このように生データを読み込ませても、素早く分析してくれます。今回のデータは50行程度でしたが、データが数千〜数万となると一苦労ですよね。
ちなみに今回のサンプルデータもChatGPTで作成しました。参考までにプロンプトを紹介します。
ある日のイタリア料理店における注文履歴のサンプルデータを作成してくさです。
カラムの項目は、年齢,性別,注文した商品,金額
です。
①年齢の欄には次の値のいずれかを入れてください。
20代,30代,40代
②性別の欄には次の値のいずれかを入れてください。
男性,女性
③注文した商品と金額には以下のいずれかを入れてください。
この2つの項目はセットです。
注文下商品,金額
パスタ,1200円
ピザ,1800円
アクアパッツァ,2500円
①〜③の組み合わせはランダムです。少し偏りを付けてください。
行数は50行です。
ファイルはCSVファイル形式です。
このようなサンプルデータの設計には、以外と時間がかかりますよね。このようなサンプルデータ作成にもChatGPTは活用できます!
ChatGPTでペルソナ設計をする
顧客分析のアウトプットとして、ChatGPTでペルソナ設計をしましょう。「ペルソナ」とは、具体的なターゲット顧客を代表する架空の人物像を作り出すことです。
ペルソナを設計する目的は、製品やサービスが実際に顧客のニーズに合っているかを確かめ、効果的なマーケティング戦略を立てるためです。実際の顧客群に基づいた具体的なペルソナを設定することで、製品開発やマーケティング活動が具体的かつ効率的に行えるようになります。
私たちの会社では、若い女性をターゲットとした「伊豆温泉めぐりツアー」を企画しています。
以下の情報を中心としたペルソナ設計をしてください。ペルソナは3パターン作ってください。
・20代の社会人女性
・東京23区在住のOL
・土日休み
・趣味は旅行と温泉めぐり
ペルソナ1: アクティブな冒険好き – 佐藤 まなみ
- 年齢・職業: 26歳、デジタルマーケティング会社に勤務。
- 居住地: 東京都新宿区。
- 趣味・興味: 新しいスポットを発掘することが好きで、休日は友人と新開業のカフェや隠れ家レストランを訪れる。
- 旅行好み: アクティビティが豊富で、自然と触れ合える場所を好む。温泉めぐりでは、特に露天風呂を楽しみにしている。
- 伊豆温泉めぐりツアーに求めること: 冒険的なアクティビティが組み込まれたツアーを求めており、ユニークな体験ができる点に魅力を感じる。
ペルソナ2: リラックス志向 – 鈴木 はるか
- 年齢・職業: 28歳、外資系企業の広報担当。
- 居住地: 東京都港区。
- 趣味・興味: 週末には美術館巡りや読書を楽しむ。ゆっくりとした時間を重視。
- 旅行好み: 静かで落ち着いた環境でリラックスできる場所を好む。自然を感じられる場所でのんびり過ごすことを重視。
- 伊豆温泉めぐりツアーに求めること: 高品質なサービスと静かな環境。美しい景色を眺めながらのんびりと温泉を楽しみたい。
ペルソナ3: ソーシャルメディア愛好家 – 田中 ゆい
- 年齢・職業: 25歳、アパレル会社の販売員。
- 居住地: 東京都目黒区。
- 趣味・興味: SNSでの写真投稿が趣味。週末はフォトジェニックな場所を探してはインスタグラムにアップする。
- 旅行好み: SNS映えするユニークなスポットを求めて旅行。人とは違う特別な体験を好む。
- 伊豆温泉めぐりツアーに求めること: 写真映えする素敵な景色や、独特な温泉、ユニークな食体験ができるツアー内容。
これらのペルソナは、それぞれ異なるニーズと期待を持っており、伊豆温泉めぐりツアーの企画において、それぞれの要望に応えることができるようにアプローチすることが重要です。
実際にペルソナ設計を行う際には、リサーチしたデータを元に、もっと具体的な設定を与えます。
例えば生データをChatGPTに読み込ませて、そのデータに基づくペルソナ設計を指示するとよいでしょう。
ペルソナ設計のコツは以下の通りです。
- リサーチを徹底する:顧客の実際のデータとフィードバックを基にペルソナを作成します。市場調査、既存の顧客データ、インタビュー、アンケートなどから得られる情報を活用し、リアルな顧客像を構築することが重要です。
- 具体的にする:年齢、職業、居住地だけでなく、趣味、ライフスタイル、購買行動、メディア利用習慣など、細かい詳細を盛り込むことで、ペルソナに深みを与え、リアルな人物像を作り出します。
- 課題とニーズを明確にする:ペルソナが抱える問題点やニーズを明確にし、それにどのように製品やサービスが応えることができるかを考えます。これにより、製品のポジショニングやマーケティングメッセージがより鮮明になります。
- 複数のペルソナを作成する:一つの製品やサービスに対して複数のペルソナを設計することで、異なる顧客層を包括的に理解し、より広範な市場ニーズに対応することが可能です。
- 定期的な更新と検証:市場や顧客の状況は時間とともに変化するため、ペルソナも定期的に見直しと更新が必要です。新しいトレンドや競合の動向を反映させ、現実に即したペルソナを保つことが重要です。
- チーム全員で共有する:ペルソナはマーケティング部門だけでなく、開発、営業、カスタマーサポートなど、関連する全ての部門で共有し、組織全体で顧客理解を深める基盤とすることが効果的です。
ペルソナのコツもChatGPTに尋ねました。
マーケティングはアメリカが進んでいるため、マーケティング用語は英語ばかりで難しく感じることも多いでしょう。わからないことがあったら、ChatGPTにどんどん聞くといいですね。
さらにChatGPTを活用したい方にはDMM 生成AI CAMPがオススメ
今回はChatGPTを顧客分析に活用する方法について、解説しました。
「もっと仕事で活用する方法を学びたい!」という方には、「DMM 生成AI CAMP」がオススメです。リスキリング補助金を受けながら生成AIの活用方法を学べるオンラインスクールです。
マーケテイングへの活用に興味がある方には、「マーケテイングコース」がオススメです。
以下の記事で詳しく紹介していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
ChatGPTを使って顧客理解を深めよう
今回はChatGPTを活用した顧客分析〜顧客理解の方法について紹介しました。今回使用したプロンプトは他の生成AIでも同様に使用できます。(ファイルなどは、利用する生成AIが対応するものを用意してください。)
顧客理解の手順を再掲します。
- データを収集する
- データを整理・分類する
- データを分析する
- インサイトを抽出する(洞察を得る)
- ペルソナを設計する
これらの手順を進める上では、多大な労力と時間がかかりますが、ChatGPTを活用することで、大幅な効率化が可能です。またより詳細な洞察を得たり、様々なペルソナを設計したり、顧客理解を大きく手助けすることでしょう。
ぜひ今回の内容を参考に、顧客理解に生成AIを活用してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!