未経験からITエンジニアを目指すには、どんなスキルを身につければいいのか?
多くの人が最初にぶつかるのが、この疑問です。
未経験からのエンジニア転職に必要なスキルは“共通で必要な基礎スキル”と“職種ごとに異なるスキル”の2種類に分かれます。職種によって求められるスキルが異なるにもかかわらず、「とにかくプログラミングから始めよう!」と学習を始めると、遠回りや挫折してしまうリスクが高まります。
また、「全て理解しないと転職できない…」というのもよくある誤解。未経験の転職では、完璧さは不要です。
こんにちは、シントビ管理人のなかむーです。
私もプログラミングの勉強から始めて失敗したタイプです。今では実務で使うレベルのスキルを理解し、習得しました。
「未経験で転職する時に必要なスキル」 ≠ 「実務で必要なスキル」ではないことを理解しておきましょう。
この記事を読むことで以下のことがわかります。
- 未経験からのITエンジニア転職に必要な必須スキル
- 共通スキルと職種別で必要となるスキル
など
「最短で転職するために、何から勉強すればいいか」を明確にしたい方は、ぜひ参考にしてください。
まず知っておきたい「エンジニアのスキル構造」

未経験からITエンジニアを目指すときにまず押さえておきたいのは、 “何のスキルをどこまで学べば、希望の職種に転職できるのか”です。このとき、スキルは大きく分けると
- どの職種でも必要になる共通スキル
- 職種ごとに異なる専門スキル
の2つに分類されます。
まず、全職種に共通するのはエンジニアとしての土台となるスキルです。これらは難易度こそ異なりますが、いずれの職種を目指す場合でも避けて通れません。言い換えれば、この基礎スキルを身につけることで、どのエンジニア職にも応用が効くようになります。
その一方で、職種ごとに必要とされるスキルは大きく変わります。たとえば、WebエンジニアはJavaScriptが重要になりますが、インフラエンジニアはLinuxやネットワークの知識が中心です。この違いを理解せずに学習を進めると、「自分の目指す職種には必要ない内容ばかり勉強してしまう」という遠回りが起きてしまいます。
転職を成功させるためには、自分が目指す職種で“どんなスキルがどのくらい必要なのか”を正しく理解することが大切です。
全職種に共通するスキル

先に解説するのは、主な「全職種に共通するスキル」です。まず前提として、この記事で解説する「全職種」とは「未経験から転職しやすいITエンジニア職」に基づきます。
- QAエンジニア
- Webエンジニア
- アプリエンジニア
- インフラエンジニア
- セキュリティエンジニア
- データエンジニア
詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
この章で取り上げるのは、6つのITエンジニア職すべてに共通して必要な“基礎スキルセット”です。これを押さえていないと、学習が進まなかったり、面接で話が合わなかったりと、転職活動の遠回りにつながってしまうでしょう。
反対にこのスキルを身につけることで、どのエンジニア職にも応用が効き、職種変更やキャリアの幅を広がることも可能です。
Webの仕組み(HTML / CSS・HTTP・APIなど)
エンジニアとして働くうえで、Webがどのように動いているのかを理解することは最初の一歩です。
- HTML / CSS:画面を作る技術
- HTTP:ブラウザとサーバーの通信
- API:アプリ同士の情報の受け渡し
など
Web系の開発に限らず、アプリ・インフラ・セキュリティなど、ほぼすべてのIT職でこの仕組みを使っているため、基礎として押さえておくとスムーズに理解が進みます。
プログラミングの基礎
未経験でも最初に触れるべきスキルです。JavaScript・Python・PHPなど、どれか1言語で十分。
「変数・関数・条件分岐・ループ」などの基礎文法を理解するだけでも、コードの構造が読めるようになり、職種を問わず実務理解が進みます。
実務では「難しいアプリを作れるか」よりも、エラーの内容を読めるか・コードの流れが追えるかが重要です。基礎文法を習得しておくと、後からフレームワークやAPIに触れるときの理解が段違いに早くなり、職種選びの判断材料にもなります。
JavaScriptやPythonは特に初心者向けの言語としてオススメです。Pyhtonの学習方法はこのメディアでも扱っているので、参考にしてください。
Git / GitHub

GitとGitHubは、チームで開発するための“土台”となるツールです。コードを保存し、変更履歴を管理し、他のメンバーと安全に作業を共有する仕組みが整っています。
未経験OK求人でも「Gitの使用経験」が求められることが多く、
- add / commit / push などの基本操作
- ブランチを使って作業を分ける
- 他の人のコードを取り込む(pull / merge)
といった最低限の操作ができるだけで、実務への準備が整います。
Gitが使えるかどうかで「現場にすぐなじめるか」が大きく変わるため、早い段階で触れておくと大きなアドバンテージになります。
SQL
SQLはデータベースを操作するための言語で、Web・QA・データ系の職種では実務レベルでよく使われるスキルです。とはいえ、未経験段階では難しい文法を覚える必要はありません。
- SELECTでデータを取り出す
- WHEREで条件を絞る
- ORDER BYで並び替える
この程度ができれば十分で、実務でもまずはこの基本操作から使うことがほとんどです。
また、インフラやセキュリティの職種でも「データの構造を理解する」「脆弱性(SQLインジェクション)を理解する」ために役立ちます。習得しておくと応用範囲が広く、職種をまたいでも活かしやすいスキルです。
開発フローとテストの基礎理解
一般的な開発フローは要件定義 → 開発 → テスト → リリースという順番で進みます。これは、どのエンジニア職でも共有されている“共通言語”であり、この流れを理解しているだけで現場の会話が一気に理解しやすくなります。
たとえば「この機能は今テスト段階です」「リリース前に仕様変更が入りました」といった会話は、業務の進行を理解していないと意味がつかめません。また、面接でも「開発フローは理解していますか?」と聞かれることがあり、全体像を説明できるだけで「実務をイメージできている」と評価されます。
さらに、未経験者が多く配属されるQA(テスト)ポジションでも開発フローの知識は必須です。どの工程で発見したバグなのかを理解できると、報告の質が向上し、実務の精度も高まります。
問題解決力(検索力・調査力)
エンジニアにとって最も重要なスキルのひとつが「調べて解決する力」です。未経験者は「知らないことが多い」のが前提ですが、その差は“調べて前に進めるかどうか”で大きく変わります。
具体的には、
- エラーの原因を切り分ける
- 用語の意味を自分で調べる
- 似たエラーの解決方法を比較する
といった行動ができることが求められます。
逆に、少しでもわからないと作業が止まってしまうタイプは、実務で高く評価されません。現場では「全部覚えている人」よりも、「調べて解決できる人」が重宝されます。
検索力は、未経験者が最初に身につけるべき“実務力”といっても過言ではありません。
昨今はAIの進歩で用語の検索自体は簡単になりましたね。ただし、エラーの内容や文脈次第では、AIの回答が正しいとも限りません。
基本的な知識を身に着けた上で、AIを活用するようにしましょう。
コミュニケーション(報連相・技術説明)
意外に思うかもしれませんが、未経験者の選考で一番評価されるのはコミュニケーション能力です。といっても、難しいことではありません。
重要なのは、
- 自分の状況を整理して、相手にわかりやすく伝える
- 解決できない問題を、適切に質問して早めに相談する
という“仕事の進め方”の部分です。
たとえば、「エラーが出て動きません」ではなく、「○○の操作をしたら△△というエラーが出たので、××まで試しました」と伝えられる人は、現場で圧倒的に信頼されます。
技術は後から覚えられますが、コミュニケーションの土台がないと、チームで働くエンジニアとして成長しづらいため、企業はこの部分を非常に重視します。未経験者ほど、技術+コミュニケーションの両方を意識しておくことが転職成功の近道です。
以上が、主な全職種に共通するスキルです。今回は省略しましたが、これらの前提となる基礎的なPC操作スキルや基礎的なITリテラシーももちろん必要です。
基礎的なITリテラシーを学ぶには「ITパスポート」がおすすめです。ITパスポートはITに関する基礎知識を問う国家試験で、基本的なITリテラシーが身につきます。(資格の取得までは不要)
学習には、「キタミ式イラストIT塾 ITパスポート」がおすすめです。
職種ごとに必要なスキル

基本スキルを押さえたら、次は目指す職種に応じて必要なスキルを追加学習していきましょう。
同じ「エンジニア」という名前でも、求められる知識は大きく異なるため、ここで全体像をつかんでおくことが重要です。
1. QAエンジニア(テスター)
初心者でも入りやすい職種です。プログラミングは“読めればOK”のケースも多いです。
- テスト設計(観点・ケースの作り方)
- バグ報告の書き方
- Chrome DevToolsの基礎
- APIテストの簡単な操作(Postmanなど)
など
この職種では、品質を見極める「観察力」が重視されます。
2. Webエンジニア(フロント・バックエンド)
最も求人が多く、未経験からの王道ルート。
- JavaScriptの応用
- CSSフレームワーク(Tailwindなど)
- Webフレームワーク(Rails / Laravelなど)
- REST APIの理解
など
フロントエンドではJavaScriptをベースに、Reactなどのフレームワークを扱う案件が中心です。
バックエンドではPHP(Laravel)やRuby(Rails)、Javaなどが多く、未経験でも挑戦しやすい領域です。(Javaは未経験者転職者にはあまりおすすめしません)
3. アプリエンジニア(iOS・Android)
スマホアプリを作る職種です。Webより求人は少ないですが人気があります。
- Swift / Kotlin の基礎文法
- Xcode / Android Studio
- UI構築(UIKit / SwiftUI)
など
4. インフラエンジニア
サーバーやネットワークを扱う職種です。プログラミングより環境構築が中心です。
- Linuxの操作
- ネットワーク基礎(IP / DNS)
- AWS/GCPの基礎
- Webサーバー(Nginx / Apache)
など
5. セキュリティエンジニア
入口はQAやインフラから入るケースが多いですが、需要は非常に高いです。
- 脆弱性の基礎(XSS / SQLi)
- ログ解析
- OWASP Top 10
- セキュリティ診断の流れ
など
6. データエンジニア
AI時代に注目度が高い職種です。未経験OK求人も増えています。
- Python(データ処理)
- SQL(JOIN / GROUP BY)
- ETLの基礎
- BIツールの入門(Lookerなど)
など
誤解しやすいところですが、ここで紹介したスキルを「完璧にマスターしなければ、転職できない」というわけではありません。
目安としては、共通スキルは「7割理解+簡単な手が動く」レベルで十分です。職種ごとのスキルは「入門レベル+触った経験がある」程度で十分です。ただし、ポートフォリオ作りはしっかりと行いましょう。
採用担当者は以下の点を重視しています。
- 最低限の基礎が理解できている
- 自分で調べて学ぶ姿勢がある
- 職種に向けて具体的な行動をしている
企業側も「未経験」での育成前提で採用しています。「学習に時間を使いすぎて、なかなか転職ができない」というのでは本末転倒です。
最低限の学習をしたら、転職活動をしていきましょう!
どの職種を選べば良いか迷ったときの判断ポイント

未経験者の多くが悩むのが、「どのエンジニア職を選べば自分に合っているのか」という点です。スキルだけで比較しようとすると迷いやすいため、まずは以下の3つの軸で考えると方向性が見えやすくなります。
- 過去の経験や得意分野との相性
- 学習コスト(難易度・学ぶ量)
- 求人数とキャリアの伸び
以下の記事で職種ごとに比較紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
最初の職種選びは最も重要です!ここで誤ると、転職が半年〜1年以上遅れることも。
無料カウンセリングをしてくれる転職エージェントもありますので、キャリアカウンセリングを受けるのがオススメです。
迷ったら専門家に相談|職種と学習の方向性を明確にしよう
未経験からITエンジニアを目指すときに、最もつまずきやすいのが「自分はどの職種に向いているのか」という点です。Web、QA、インフラ、アプリ開発、セキュリティ、データ──どれも魅力的ですが、必要なスキルや学習量、向いているタイプが大きく異なります。
しかし、この判断を“自分だけ”で行うのは非常に難しく、ネット情報だけで職種を決めてしまうと、
- 学習の優先順位を間違えて遠回りする
- 苦手な職種を選んで挫折してしまう
- 未経験OKの求人に通らない
といった問題が起こりやすくなります。
そこで活用したいのが未経験特化のIT転職エージェントです。専門のキャリアアドバイザーが、あなたの経歴・強み・希望条件をもとに、最適な職種と学習ステップを無料で提案してくれます。さらに、「未経験でも本当に育成してくれる企業」だけを紹介してくれるため、初めての転職でも失敗しにくいのが大きなメリットです。
ここでは、未経験者に特におすすめできる転職エージェントを4つ紹介します。いずれも無料で相談できるため、「自分に合う職種がわからない」「まず何から始めればいい?」という方は、早めに活用することをおすすめします。
1. 【20代・学習重視】手厚いサポートで基礎を固めたいなら|ウズウズIT
2. 【最速で転職したい方向け】1〜2ヶ月での内定実績あり|Tamesy(タメシー)
3. 【首都圏・相談重視】自分の適性をプロに見極めてほしいなら|@PRO人(アットプロジン)
4. 【粘り強さNo.1】自信がないけど挑戦したいなら|ツギノシゴト
転職エージェント活用のコツ
転職エージェントは1社に限定する必要はありません。まずは気になるサービスを2社ほど登録し、面談で話を聞いてみてください。
そのうえで「相談しやすい」「自分の希望を汲んでくれそう」と感じた担当者をメインに頼るのが、転職をスムーズに進めるポイントです。
複数社を併用しても問題ありませんし、もちろん利用料はすべて無料です。遠慮せず、自分に合ったサポートを受けられる環境を選んでください。
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必要なスキルを押さえて、エンジニア転職へ一歩踏み出そう
この記事では、未経験からITエンジニアへ転職する上で必要となる「共通して必要な基礎スキル」と「職種ごとの特有スキル」について解説しました。
職種ごとに必要な学習や難易度は大きく異なりますが、まずは方向性を決めるだけで、学習の迷いがなくなり、転職の成功確率が高まります。
どの職種が自分に合っているのか?
そう感じている方は、一人で悩まず、転職エージェントに相談することで、自分に合った職種が見つかるでしょう。そうすると必然的に、自身が学ぶべきスキルも明確になります。
今回の内容を参考に、エンジニア転職の一歩を踏み出してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
少しでも役に立てたら嬉しいです。





